「懲りずにコラム」 2004年11月下旬号
「近ごろ、メール事情」
年のはじめに、今年は「いつもとちがう」という"予感"がしたのは、22年ぶりであった。
正月3日に高校の同窓会報に原稿依頼があり、仕事が忙しくなりそうだと思ったとおり、
その後、明治期から今日までのある年表作りや、来年は戦後60年・梶山季之没後30年と言い出してから、
最近はパソコンとの格闘で手や腰が少しおかしくなっている。
5月だったか、若い女性の"読書感想文"「セックスと読書。一般的に結びつくことはないだろうが、私の中で、
その二つはものすごく似た性質のものとして影響しあっている」という文章に接し、
ここまで来たかと背中を蹴ってやりたくなったほど?!
しばらくして、見知らぬ"女性"たちからメールが届くようになった。「メールと電話でHしてくれ」とか、
「最近別れたばかり」だからとか、中には「プロフィールが気に入ったから」などと、私の"プロフィール"を読んで、
興奮する?! 人がいるのか、と一瞬考えさせられた……。
それは、9月ごろから顕著になった。時あたかもモデムの不具合と重なり、たまに接続したかと思うと、
「10万円ぐらい用意しています」とか、「セックスフレンド募集してましたよね」とか、
「ルックスは自信がないが、セックスは好きだ」(これには、うまく"韻"を踏んでいると感心した?!)などなど。
アッケラカンとした援助交際やら、精子をくれて妊娠したら50万円出すだの、困っている人妻の会だの、
「コスプレで、好きな女の子と…」とか、「占いの勉強をしていて"運命の人"にあなたのメールアドレスが」
なんて白々しいのまで、それは今もつづく。
中にはこういうのに"お付き合い"する男性もいるのだろうが、私には時間と金と興味がないから、
ほとんど読みもせず一つ一つ「ゴミ箱」に捨てる。時に大事なのも捨てやせんかと慌てることもある!
正月の時点では、これで忙しくなるとは思いませんでしたよ。
そういえば、男からのはないですねえ。男は慎み深いのか、勇気がないのか、"待ち"専門なのか?
ちなみに、カミさんのところにも、"女性"からのが来ていた?!
「ICタグ、GPSって何だ」
欲しがらなくても、子どもに何でも与えるのが親の愛情、と勘違いしている日本人が多いのには困ったものだ。
とくに、小学生のケータイ電話。想定できる危険な場合を、事前にどれだけ注意するかが大事なのだが、
"効能"と"親の都合"しか考えないのが現状であろう。
持たせても万全といえないのは、すでに咋年、この欄「似非エッセイ」に記した(ある会社社長である母親の提案、
「(小さな子どもが)駅から暗い道を1人で帰るなら、誰かと電話で話し続ける」のがよい。
理由は「(誘拐されそうなとき)いつでも助けを求められる」から(03・10・13「ケータイで"仲間"を売る?(第3話)」)。
子どもにとって、世の中が安全でなくなったことこそ深刻だが、お金をかけて目先の事ばかり考える親や学校、
警察関係者などの短絡思考も、やはり困ったことである。
しかも、防犯ブザーを持たせるというのは時代遅れ。その"進化"ぶりを見よう。
「安全確認にICタグを活用/登下校時間を親にメール配信/東京・立教小」(9・28)とは、
近ごろ"在庫管理"などで流行りのICタグを利用するというらしいが、これは"電子荷札"のこと、
それでも学校は「親が登下校時間を確認できるのは心強い」という。ミッションスクールでさえ、
人間をモノ扱いする無神経さ。神も仏もない!? いったい、近ごろの大人はなにを考えているのでしょうね
(以下、新聞はいずれも東京)。
ついで、「子どもの居場所 瞬時にキャッチ/GPS機能ランドセル」(10・29)にいたっては、
ランドセル会社が大手警備会社セコムと提携して、GPS(衛星利用測位システム)端末付きランドセルを売り出したのは、
少子化に対応するという商魂むき出しのアイディアだが、またぞろ孫可愛いさに全国のジジババは財布のヒモを緩めることだろう。
と思っていたところ、この18日に起こった奈良県での、昼日中の小1女児の誘拐殺人は痛ましい限りだ。
犯人は被害者を殺したあと、その女児のケータイを使い、メールと写真だけで女児の母親とやり取りしたため、
犯人の顔も声も分らないという。もう"小説"を超えているではないか。
ところで、この母子が使っていたのは上記、GPS様だった。
捜査当局は、「犯人を割り出すための重要な手がかりになるとみて通信記録の分析をする」そうで、NHKニュースなども、
やたら地図上に三角形を記して説明しているが、24日現在、まだ犯人の手がかりもつかめていないらしい、何をやっているのか。
それにしても、新聞は面白いですねえ。「犯人像 識者が推測」によると「犯罪マニア/若者/外見は『普通の人』」(11・19)と、
ついに「普通の人」が「フツーの子」に伍して犯罪者になってしまったが、数でいえば、ほとんどが"普通の人"ではないのかしらん。
そういえば、カーナビを装備すれば、車で逃げる犯人を囲みこむのに効果的だとして、
警視庁だかが全パトカーにつけるらしいと聞いたのはつい先日のことだが、こうなると"ゲーム感覚"そのままの時代、
あるいは大捜査網を敷いても検挙率は上がらないという予兆か?!
(悲しいことに、奈良の事件で"脚光"を浴びたGPSサービス、その事業者たちに小さな子どもを持つ親から問い合わせが殺到しているという(11・23)。
この事件は(ケータイを首からぶら下げる)ヒモが目印で被害に遭ったと見られているのに。
わが子をことさら危険にさらそうとする、ほんとに懲りない日本の大人たちだ!!)
「次の総理は…」
アメリカの"仏手"大統領が再選され、国連も諸外国も心底、がっかりしているというのに、
それに尻尾を振るの英ブレア"プードル"と、わがコイズミ"ぽち"の2頭が健在なのは困ったことだ。
その"ぽち"も郵政民営化やイラク自衛隊派遣、北朝鮮"拉致"そして靖国問題などを抱えているものの、
「他に適当な首相がいない」ため、世論調査ではまた支持率が上がったというのだから、台風や地震ばかりか、
こんな国民にも恐れを抱いてしまう。
さらに、気の早い話だが、ポスト"ぽち"つまり次の首相は、前自民党幹事長の安倍晋三なんだそうな。
これは、凋落久しい橋本派など問題ではなく、森→小泉→安倍と史上初めて三代続けて同一派閥から総理を出すという、
森元総理の戦略らしい。
そういえば、サプライズ人事の発端である前回、幹事長に若い安倍をと進言したのは彼である。
これが"政界のプリンス"などと、国民的人気となったのに気をよくしたのか、今回の人事でも派内の一年生議員が安倍続投をと署名運動まで始めたとき、
森は「派閥で人事を動かそうとするのは、小泉首相が一番嫌っている」と烈火のごとく怒ったそうだが、
自派の若手を一喝することで、他派閥の動きも封じ込めようとする高等戦術だったと新聞解説にはあった。
ところが、真相はプリンスが表舞台にいて"傷"がついたらマズイという"配慮"だったというから、
ITを「イット」と発音して失笑を買った元首相はキングメーカーになりつつある……。
「中二階」などという"眼くらまし"はだれが考えたのか?!
さて、現実に戻ろう。戦争を知らない若手の"ぽち派"(アメリカべったり)が政権を握れば、
憲法改正(好戦国化)が"現実"になる? だけでなく、国民が直接困る、消費税の大幅な税率引き上げも目前であろう。
かつて、"ぽち"が在任中は消費税率を上げないと言ったのは、次の首相が上げるという意味で、
10年後には21%という試算もあるというから穏やかではない。
かたや、民主党の岡田サンは人気がないそうだから、懸命な国民に"プリンスメロン"を選択しないようにするには、
どのような網目を張ればよいのだろうか。熟慮、いや短慮でもよいから、考えようではないか!!
(以上、2004年11月24日までの執筆)
kenha@wj8.so-net.ne.jp