「懲りずにコラム」 2004年9月下旬号
「中学生にセックス禁止条例!?」
役所というところは、よほどヒマなのか。いろんな委員会を作るものだ。
東京都の「青少年の性行動について考える会」は、「中学生の性行為は禁止すべき」という条例を作るかもしれないそうだ。
マイホームを持てば、子ども部屋を与えることが一つの"ステータス"と錯覚した世の大人たちも、
かつては陰でタバコをすったり、酒を飲んだりしていたものも多かったのではないか。
世の中、コンビ二全盛、ますます便利、簡便になった。ケータイを持たせ(⇒プチ家出の勧め)、
パソコンを買い与え(⇒性情報へアクセスの勧め)、髪を染め化粧をさせ(⇒街頭進出、男漁りの勧め)とエスカレートすれば、
勉強や部活に精を出すなんてバカらしくって、やってられないと思うのは必然であろう。
人生短く、楽しまなくっちゃアと、ここまで大人との境界線がなくなれば、やることは後一つしかないと思わせる世の中にした、
親に限らず、政治家や役人の無責任と、産業界の儲け主義が、自覚や我慢することを学ばない日本人を再生産し、
今日に至っただけの話である。
いまさら、法律だの、条例だのを作ってもはじまらない。"悪いことをしてもいい"の見本は、政財界に限らず、
ワイセツや盗みに余念のない警察官や女生徒の髪を切った校長など教師、身近な大人たちが身をもって示しているではないか。
青少年保護育成の決まり文句に、「次代を担う青少年のために」「家庭・学校・地域社会が連携して」とあるが、
戦後の歴史を見れば、どの時代も「青少年のために」などと政治や行政やその関係者が、本気で骨を折ったという形跡はない
(拙著『有害図書と青少年問題―大人のオモチャだった"青少年"―』明石書店2002参照)。
私にいわせれば、「次代を担う青少年を食い物にして」(世界青少年交流協会の補助金詐取など)、
「家庭・学校・地域社会が連携して」(青少年を悪の道に引きずり)こんでいるのが現実であって、
中学生はじめ青少年は、大人たちの"犠牲"なのである。
しかし、反論があるだろうね。俺たちは戦後日本を立派な国家にした、世界に冠たる一等国にしたではないかと。
それならば、その方たちに敢えて言おう。何も法律や条例などを作って厳罰主義で望むより、今のままでよいではないか。
あなた方が立派な日本人と自負するなら、いまの中学生だって、きっと立派な日本人になるに違いないからだ。
それにしても、大人たちは物忘れがヒドイ!? ついこの間の"自己責任"論は、どこへ行ったのか。
「何を考えているんだろう、若い親たちは?」
このごろ流行るのは、なぜか世論調査。"政府・与党が進める教育基本法の改正"に国民の6割が賛成だと、
日本世論調査会の面接調査で分かったという(東京9・26)。実施したのは9月11日と12日、
どこかの国の「9・11」を利用(サブリミナル)したのだろうか。
賛成する人の55%は、その理由として「現代の教育を取り巻く環境に対応できていない」からと思い、
とくに20歳未満の子どもがいる層では69%に達したそうだ。それを報じる新聞は、
「教育の現状への根強い不満が改正への支持につながっていることを浮き彫りに」したと説明するが、
「現代の教育を取り巻く環境」って、どういう状況をいうのか、具体的な意見や事例は示されていない。
しかも、改正についての関心をもつ人は「ある程度」を含めて68%もいるそうだが、
"ある程度"なんてあいまいな答え方は、あいまいな日本人向けの意味のない選択肢でしょうに。
ムードだけで設問に答えさせるやり方は、先に発効した「国民保護法」というネーミングだけで、
多くの国民が「ありがたいこっちゃ」的になる、危険極まりない調査方法とマスコミの報道姿勢である。
つづいて、"愛国心"を基本法に盛り込むことに、賛成が66%で、反対の26%を圧倒したというが、
「日の丸を掲げ、君が代を歌えば」愛国心があるという程度の認識では、再び採用されかねない徴兵制度に、
「20歳未満の子どもがいる層では69%」も喜んで賛成するのだろうね、きっと愛国心の発露として。
折しも、政府与党に都合のよいニュースも入ってきた。お隣韓国で、多くのプロ野球選手や人気俳優が、
兵役逃れに大金を積んでまでも不正を働いていたことが発覚し、「韓国人として恥ずかしい」と謝罪するものもいたからだ。
麗しいですねえ、"儒教"の生きている国は。親愛なる日本のプロ野球ファンの皆さん、2リーグ制がどうの、
野球は国技だなどと、のんきなことを言っている場合じゃないですぞ。
「第2次コイズミ内閣」
今回の改造は、郵政民営化に反対しないか積極的な人物を選んだといい、かつ民間でできることは民間で、
地方でできることは地方でと、至極もっともな発言を繰り返すコイズミ君だが、日本を良くすることもできない自民党政権では、
なにをいまさらという感じ。
まわりでは、"サプライズはなかった"だのと、使い古されたコメントを吐く公明党代表のように、
新閣僚の顔ぶれをみて森派重視、若手起用、女性減少などと評するが、下馬評にあった、慶応閥、民間人起用が不発だったのは、
やはり政治は「民間」に任せられなかったからか。ついでに言えば、東大関係は6人と最多、慶応は2人、
珍しいことに早稲田出身が皆無だったことだ(やはり、慶応重視か?!)。
その前、アメリカで、国際貢献=対米協調(ブッシュ追随)を宣言し、安保理の常任理事国入りを強く要望したコイズミ君、
ヤンキースの松井を相手に、キャッチボールをしたのは、やはり大衆受けのパフォーマンスか。
どうせやるなら、いま"世界が注目する"マリナーズのイチロー選手を相手にすべきではなかったか。
国民栄誉賞を断った? イチローなんかと口も聞きたくなかったのか。それとも、位負けするからか。
組閣後の記者会見で、原稿ナシで喋ったのは、かの選手会長古田敦也並みだが、いつもの激高は見られず、
低い声で淡々と"所信"を表明されれば、記者団も半分は寝ていたのか、ほとんど質問らしい質問はできなかったようだ。
この催眠術がクセモノで、国民の多くは「(総理として)期待できる」「他にふさわしい人がいないから」と、
支持するのだろうね、これからも。
(以上、2004年9月29日までの執筆)
kenha@wj8.so-net.ne.jp