「懲りずにコラム」 2004年9月上旬号
「コイズミとオリンピック」
総理大臣コイズミは、夏休み中、重大事件が起こっても、そう認識しないか、無視したい場合は、
公務に戻らなくてもよいという前例を作ったという点で、エライのかバカなのか。
夜を徹してアテネオリンピック観戦に憂き身をやつしていたそうな。
そのオリンピック報道で、愛ちゃんの「さあァ」だか「やあァ」だかのカケ声の意味は何だとか、相変わらず、
わが民放は低レベルの報道姿勢を維持しておりますが(なに、NHKのウドの大木だか、有象無象も同じだって!?)、
偏ったナショナリズムにも困ったもんですねえェ。
極めつけは、アニマル浜口のただ吠える親バカ振りを、何年も追い続けた果てのNHKの、過剰な思い入れ、
そして、わがライオン小泉が、その母親を含めた家族愛だかなんだかを、
ことさらに称えるメールマガジン「らいおんはーと」〈8・26付〉の、わざとらしさ。
「日本選手団の旗手をつとめた、女子レスリングの浜口京子選手。京子さんもよく頑張ったと思いますが、
お父さんの応援ぶりも力が入っていました。/試合後、「銅メダルでしたけど、私の人生の中では金メダル以上のものを経験させていただきました。
父の教えはすべて受け継いだと思います。今後も命ある限り、家族みんなで仲良く過ごしていきたい。」と、
はれ上がった右まぶたにもかかわらず、晴れやかな表情で語った浜口選手の言葉。
/そして、「銅メダルでもいいんです。うちの家族は幸せだから、いいじゃない。」というお母さんの言葉。
/素晴らしい家族だと感動しました。」
きっと、国民栄誉賞をいちばんに上げたいんでしょうねェ、その親父さんに。類〈涙〉は類を呼ぶ?! なに、理解できない?
ライオンはアニマルの一種でしょうが!!(蛇足:昭和初期の浜口雄幸首相はライオン宰相と呼ばれていた)
それはともかく、オリンピックの終わったその日(8・30夜7時30〜)、NHK特集は、全体的によかったですねえ。
日本選手ばかりでなく、ギリシャをはじめ、イラクなど日ごろ目立たない各国選手の映像でまとめた総集編は、
さすがだと思いましたねえ。
しかし、オリンピック停戦の呼びかけに、「アメリカなどが署名に応じなかった」というのは、公平中立の放送局としては、
汚点を残しましたねえ。なぜ、わがメダル王国"ジャパン"が無視されたのでしょうか。
ひょっとしたら、わが国は「アメリカなど」の「など」扱いでも十分だという、コイズミの意向でもあったのでしょうか。
パパ・ブッシュの息子可愛さは分かるが、イラクは相変わらず戦争状態でしょうに。
ともあれ、愛ちゃんが下らない質問に答える「そんなキレイゴトでは…」は、単純に、はしゃぐ大人たちへの痛烈な一言でした。
「世論調査の虚実」
お気づきの方もおられるでしょうが、共同通信による世論調査は、近来まれに見る"怪挙"でしたねえ。
支持政党は自民党か民主党のどちらかと、プロ野球は1リーグ制と2リーグ制のどちらがいいか、
の二つを同時に聞いたのである。8月27,28日、電話による調査で、1498人の有権者に問い、
1069人から回答を得たという(71.36%)。
新聞見出しに、「『2リーグ維持を』74%/プロ野球 スト支持も68%/全国世論調査」と、
その下に「民主支持、自民を逆転」とあるが、細かく見てみよう。
問1「あなたは、小泉内閣を支持しますか、支持しませんか(選択肢3)」、問2「(問1で)支持する理由(選択肢11)」、
問3「(問2で)支持しない理由(選択肢11)」と、ここまでは従来どおりであろう。
が、がらりと変わって、問4「最近のプロ野球について、あなたは面白いと思いますか。そうは思いませんか(選択肢3)」、
問5「プロ野球界の再編問題について、あなたは関心がありますか。ありませんか(選択肢3)」、
問6「〈要旨〉2リーグ制と1リーグ制のどちらがいいか(選択肢3)」。
おや、今度は変化球である。問7「現行のドラフト制度について、あなたは見直すべきだと思いますか、
そうは思いませんか(選択肢3)」、問8「プロ野球界の再編問題で、選手会はストライキを行うことがありうるとしています。
〈以下要旨〉ストライキを支持するかしないか(選択肢3)」を問うている。
どうみても、プロ野球問題のついでに、支持政党の変化を調べるという、共同通信の発想がスゴイではありませんか!
そして最後の、問9「あなたはどの政党を支持しますか(選択肢9)」は、定番であるが、
この"混合ダブルス"は有権者をナメてはいないか。いや、共産党支持者を含め、国民の7割は保守的かつ巨人ファンであると証明されたのかどうか、
その相関関係を発表しないところに、作為があるのでは?!
さて、近ごろ巷で流行っているのは、アンケート調査や意見募集に、やたらにインターネットを使うという"詐術"である。
先ごろ人名漢字を580字ほど増やすことについて、法務省がホームページで、「国民の意見(パブリックコメント)を募ったところ、
拡大に賛成するメールが1508通で、反対(20通)を大きく上回った」という〈東京7・23付〉。
数字で言えば、たしかに98.69%の高率ではあるが……。
この調査結果を元に、法務省(法制審議会)は、たぶん"国民の大多数の意見"を尊重したことにして、488字を追加し、
2928字が使用可能となり、女子ソフトボールではないが、「撫子」だの「林檎」だの「桔梗」などの画数の多い名前が出てくるそうな
(当コラム「お名前は? 米の下に、田に共、と書きます」2004年6月下旬号参照)。
しかし、いくら政府がIT化を進めても、現状ではパソコンの利用状況は"統計上"はともかく、
世論を反映しているとはいいがたく、使用者が限定されるメール回答だけで、事を進めるのは、いささか問題ではないか。
しかも、ITこぼれの人たちは(その自覚もないまま)置いてきぼりにされ、かつそれさえ訴える手段が限ない!!
どこが、パブリックコメント(国民の意見)なんだ?!
統計の虚実は、昔からあるもので、これはアメリカでの話。ある大学で、入学した女性のうち、
同じ大学の男子学生と結婚したのは3分の1もいたという、驚くべき結果を発表した。
それは、スゴイと思われがちだが、現実は、女子学生はたったの3人で、そのうちの1人が結婚したに過ぎない、のだった。
でも統計上はまちがってはいない、どこに詐術があるのか。
発表者か、それを伝えるメディアか。根拠を確かめずウ呑みにするなど、受けて側にも問題がないとはいえないところが悩ましい。
「戦いすんで…。メダルの数は」
最後の男子マラソンはメダルに手が届かなかったものの、ハンマー投げ勝者のドーピング違反による繰上げ受賞で、
日本は金が16個と東京大会に並んだとか、ついで銀は9に、銅は12の計37個は過去最高だと大喜びのようだが、
こんな冷めたデータもある。
1984年のロサンゼルス大会(32個)は、ソ連や東独の不参加でメダル獲得は日本に有利であったこと、
今大会でメダルを量産した女子柔道や女子レスリングは正式種目ではなかった。
また、前者の実施種目数221に対し、今大会は史上最多の301で、メダル数は900個以上になるという。
そこでいう。金メダルが16個と最多だった東京大会は163種目、つまり1割の種目で金を獲得しており、その伝でいくと、
今回は倍の30個ぐらいが必要だったことになる。うーん、私より意地の悪い見方をするとは、東京新聞さん!!〈8・26付〉
もうひとつの、国別対抗を見よう。堂々1位はハンガリー(5人)、2位は主催国のギリシャ(3人)、
ついでロシアとインドが3位(2人)、5位(1人)はウズベキスタン、ベラルーシ、トルコ、ミャンマー、モロッコ、モルドバ、
ウクライナ、プエルトリコ、コロンビア……、これはドーピング違反による追放やメダル剥奪などの処分数。
旧共産圏の選手が多いのは、「国力がなく、発覚しやすい古典的なドーピングをしているせい」なのだとか〈東京8・30付〉。
最後に、"監督"のためにも、金メダルを取るつもりだった、長嶋ジャパンにも触れねばなるまい。
プロの意地だとか、「フォア・ザ・フラッグ」や分裂騒ぎもあって重圧に負けたとか、言い訳はいくらでもあるようだが、
"二軍"のオーストラリアに連敗したのは、要するに研究不足、相手をなめていただけのこと。
したがって、「ミスターが予言していた野球『敗戦』」〈週刊現代9・11号〉は、やはり真実か。
ことの詳細は知らないが、私も、次のように"予言"しておりました。
「キューバにも勝った野球はナガシマ監督が背番号の「3」を書いたという日の丸を後生大事に持っていきましたが、
そのココロは「わしゃ行かんのだから、どうでもいい?!」、つまりは、3位(銅)でもいい、ということにならないように!?」
(前回〈8・18付〉「トピックス」欄)
(以上、2004年9月1日までの執筆)
kenha@wj8.so-net.ne.jp