「懲りずにコラム」 2004年7月下旬号
「アメリカ、が羨ましい!」
先の参院選は大方の予想どおり、自民党は51議席を確保できず、民主党が躍進する結果となった。
もっとも、公明党のバックアップがなければ、自民党は大惨敗であったようだ。
党内には、51議席を下回れば小泉首相の責任論もあったが、選挙戦も終盤に近づくにつれて下方修正し、
小泉の続投となったのは、自民党に総理総裁になる人材がいないということを露呈した。
それでも政権を維持するというのは、日歯連と創価学会のような大旦那がいるからか。
一方、民主党の大幅増は何も同党の支持者が投票したからではなく、多くはアンチ小泉票であったため、
どちらも負けはしないが勝ってもいないという、国民にとっても訳の分からない状況となり、
このままでは憲法改正論議などが"粛々と"続けられそうだ。
その点、大量破壊兵器も存在しないのにイラク戦争に突っ走ったブッシュ大統領の再選に対するアメリカ国民の"ノー"の意思表明の、
なんと明快なことか。
5月には支持率が41%と過去最低となり、マイケル・ムーア監督のアンチ・ブッシュ映画「華氏9・11」は大当たり、
7月に入ると支持率も民主党の正副大統領候補に差をつけられ、とくに若者(18歳〜29歳)の反ブッシュ傾向は6割と上昇し、
また不動産王のドナルド・トランプは「イラク戦争の動機は明らかに間違っており、無駄だった」と批判し、
口癖の「お前はクビだ」が、今アメリカで流行語になっているとか。
アメリカをどうしても好きになれない私だが、この言論の自由、民主主義がまかり通る国のなんと大らかなことか。
ひるがえって、わが小国日本は、イワテけーんの選挙管理委員会が作った苦心のポスター「どうして岩手の人は不満があるのに何も言わないの?」に、
県自民党が反発、公示前日にCMやポスターがお蔵入り、国費850万円がムダに! 自民党が補填したという話は聞かない。
そして、中央でもテレビ報道は自民党に不利、偏向していると安倍幹事長がマスコミに注意文書を出すなどという低次元の話ばかりで情けないかぎり。
低投票率を打開するには、18歳から選挙権を与えることだが、やはり自民党が反対するだろうな、
彼らがイチバン怖いのは若者と無党派層だから。
それにしても、社民党も共産党も、絶滅危惧種みたいな存在になり、なにか寂しいですねえ。
「曽我さん、がどうした?」その1
過剰報道のあまりのバカバカしさが、どの程度か、番組表から拾ってみると……。
6月29日(火)日本テレビ13:55「ザ・ワイド」の▽曽我さん家族再会…交渉のキーマン、が最初らしく、
ついで30日にテレビ朝日6:00「やじうまプラス」の▽曽我さん再会に朗報、再び「ザ・ワイド」
▽曽我さんの再会場所きょうにも北朝鮮から返事、とある。
NHKが"参戦"するのは7月1日19時「ニュース7」の、曽我さん願いかなうか日朝が協議、からで、
2日「ニュース7」再会場所の一報そのとき曽我さんは、3日6:00「おはよう日本」▽曽我さん再会へ詰め、とある一方、
日本テレビとテレビ朝日以外の民放は、まだ眠っていた。これは健全な証拠か、単なるニュース価値としての取捨選択の故か。
再びNHK 、いかに"ニュース"をでっち上げるかの苦労がにじむタイトルのつけ方を見よう。
5日(月)19時「ニュース7」曽我さん再会への準備地元でも/6日4:30「おはよう日本」曽我さん9日に再会滞在場所は、
支援態勢は、同「ニュース7」9日に決まった再会に曽我さんは/7日「おはよう日本」曽我さん再会へ準備、
同「ニュース7」曽我さんインドネシア出発へ上京/8日「おはよう日本」曽我さんジャカルタへ出発・家族との再会、
同「ニュース7」曽我さんが再会の地に明日家族と/9日「おはよう日本」曽我さんきょう再会、
同「ニュース7」曽我さんが家族と再会その瞬間は/10日6:00「おはよう日本」曽我さん家族と再会、
同「ニュース7」参院選党首最後の訴え▽曽我さん/10日7:00「おはよう日本」参院選きょう投開票▽・・・・(扱わず?)、
同「ニュース7」参院選票の行方は▽・・・・。
このように、事細かに朝夕二回も報道する価値があることなのだろうか。
「曽我さん、がどうした?」その2
曽我一家がジャカルタで再会した9日は、どのテレビ局も"感動""抱擁""ナミダ"の押し売りだったようで、
とくにTBSは2時間もの特別番組を流したのは、「国民的関心事」だったからという。
ホントかね? 総務省・中央選挙管理委員会が、中山ゴンと若手女優を使って、「日本に関心を持てるのは、スポーツだけですか?」
の大キャンペーンを張ったのは参院選の低投票率に、強い懸念を持ったからではないか。
おりしもその夜は、サッカーと女子バレーの中継をやっていた。巨人戦をやらなかったのはさすがと言いたいが、
金曜日ははじめから試合がなかっただけだ。
ところで、被写体の一家は、どこの何様なのだろう。テレビに限らず日本のマスコミは政府におもねるのか、
スポンサーがついているからか、「国民的関心事」だからと勝手に報道する弊を改める気配はない!
何しろ、200人以上のテレビ関係者がはせ参じたというから、彼らの感覚は尋常ではない。
さて、曽我夫婦の歴史的再会!?は、"ぶちゅ"のせいで(与党への)百万票が減ったとかいうその夫、
米軍の脱走兵だというジェンキンスの処遇も急展開のもよう。北朝鮮で受けた手術の後遺症や、内臓に病変があるとか、
よくも他人の"ハラ"を探ったものだ!!
そのあげく、急ぎ日本につれて帰るという「人道支援」のもと、日本政府はアメリカと司法取引をするというが、
そもそも彼に日本国籍があるのか。本件に関する、日本の"国益"はなになのか。曽我さんのおっかさんは放っておいてよいのか。
どこかが悪くて"手術"したのだろうが、北朝鮮との問題には、いろいろと"奇策"があるもんですねえ。
目先しか考えないコイズミと日本政府はまたしても、北およびアメリカに借りを作ってしまった。
話はズレるが、政府のチャーター機で帰国した彼らの、機内食をマスコミに披露した日本航空の感覚も理解しがたい。
そのうち、長期滞在の北から、ジャカルタ経由のツアーでも組む魂胆でもあるのかと勘ぐりたくもなる!?
(以上、2004年7月21日までの執筆)
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