「懲りずにコラム」 2004年7月上旬号
「先入れ? 後出し?」
小泉の手法は、後出しジャンケンで、卑怯だといわれるが、なに彼本来の手法は、先出しではないか。
靖国神社参拝で中韓に批判されれば、次から"予定日"より早目に行くし、先の日朝会談でも、"拉致"家族の帰国問題で、
交渉前にコメ支援など巨額な援助(人道支援)をちらつかせたり、ブッシュがイラク駐留を米軍主導から多国籍軍に移すといえば、
国会の審議も経ず、イの一番に自衛隊の参加を表明したり、イラクに主権が移譲されるや、急いで国交を結ぶなど、
決して"後出し"ではないのだ。
それら手法を、マスコミが「サプライズ」などと持ち上げるから、われわれ国民は、モノの本質が見えなくなるのではないか。
彼は自己正当化のために、すべて、国益に叶うなどというが、いったい"国益"とは何なのか、の説明があったのだろうか。
あるいは、野党やマスコミは、それを質すなり、追及するなりの努力をしたのだろうか。
いや、密かに世論調査が行われていて、「わが国(国民)にとって、国益とはアメリカ追随、いやその属国、
具体的には51番目の州を意味する」との"国民的合意"でもあったのかもしれない。
近ごろ、やたら発覚する中央官庁による資料などの"後出し"手法を見ると、そういう調査があったとしても不思議ではない。
三菱の欠陥車問題の報道が延々と続くのも、また中国で駄目なら、インドネシアで再会などという、
一家族の問題をことさら詳報して、大事な問題から国民の目からそらすのも、ひとえに"国益"のためなんでしょうな、きっと。
「ワカレン? ワカラン!?」
この11日に投開票が行われる参院選挙も、まもなく終盤を迎えるが、世論調査によると、比例代表ではコイズミ自民が伸び悩み、
岡田ジャスコ、いや民主党は多数の議席を占めそうだという。投票日前の"インドネシア再会"を画策する、
コイズミの手法は巻き返しの「先出し」になるか。いまやコイズミの盟友は隣の金サンとかで、再選が危ういブッシュもお冠だとか。
それにしても、東京選挙区では、71歳の"亡霊"のような前都知事、いや元参院議員にして前あるいは現テレビタレントが、
臆面もなく立候補しただけでなく、善戦というから、テレビの影響が大きく、それに毒された国民(都民)の、いかに多いことか。
ついでに言えば、元NHK記者かつ元衆院議員は76歳、勝手連をもじったのか、ワカレン(名も無き若者連名運動)という組織をつくり、
「カンパで『供託金』が出来ました。感激です。選挙中もカンパだけでやり抜きます。」と、自分はいっさい金を出さないと宣言した。
ワカラン!?
若者が将来に夢をもてなく、閉塞感を感ずるのは、こういう年寄たちが、昔の"名声"にしがみついているからである。
元気で政治に色気があるならば、後進に道を譲って、それまで培った経験やノウハウを伝授すべきことが彼らの仕事ではないか。
(しかし、一度出たら止められないのが選挙だと聞いたのは、半世紀も前、私が中学一年のころだった)
「この国を憂う!?」
ひょっとしたら、もうこのコラムに登場しないかもしれないので、もう一度コイズミ君に敬意を表しておこう。
都内の街頭演説で彼は、ある人に長期政権の秘訣を聞くと、新聞を読まないことと与党のいうことを聞かないことといわれたといい、
「新聞は見出しくらい」といったそうだ。分かりますね、その気持ち。いいこと、ちっとも書いてないでしょうから。
ともあれ、新聞を取っている人たちも安心したでしょうな。なーんだ、首相も私たちと同じで、新聞なんか読んでいないんだ、
と思わせるところが危険なのも知らずに。
そして、新聞人はもっと、落ち込んでしまったのではないか? 部数低迷は、雑誌ばかりではないのだ!?
話かわって、自民党の選挙広告。いささか見飽きた彼の大きな顔に添えて「この国を想い、/この国を創る。
テーマは『日本』」とある。
これをパロッたのがマッド・アマノの作品「あの米国を想い、/この属国を創る。 小泉鈍(ドン)一郎」で、
さっそく自民党から幹事長名の抗議が来たという。パロディには、笑ってやり過ごすのがオトナの見識だが、
彼らが怒ったのは、それがパロディ(冗談)ではなく、真実を指していたからであろう。
前幹事長時代には、自衛隊イラク派遣の時期をすっぱ抜かれたと怒ったり、次には北朝鮮への人道支援の内容
(上記「先入れ? 後出し?」など)がばれて、首相秘書官があるテレビ局を取材から締め出そうとしたのも、同様である。
ともあれ、抗議文は民放などに200件〜300件も出したというから、今度の参院選で、自民党がいかに危機感を抱いているかということが露呈した。
これを語るに落ちる、という。
では、口直しに、庶民レベルのパロディを一つお届けしよう。ある私鉄の車内、座席のうしろのガラス窓に
「この座席は7人掛けです。/お互いに譲り合って……」などとあるが、現実は「この座席は"命がけ"です。/お互いに"競い"合って……」。
抗議が来なければ、この私鉄は"オトナ"といえるが……。なに、HP「心」なんて、見るわけがない??
(以上、2004年7月7日までの執筆)
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