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「懲りずにコラム」 2004年5月下旬号

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「"人道支援"の成果」
 22日の土曜、日帰りで北朝鮮を訪問した小泉首相の目的は、02年09月に交わした日朝平壌宣言の履行を確認することと 6か国協議進展の確認で、拉致家族の帰国実現などは二次的なものであった。 というのは、小泉首相は、金"総書記"ではなく、金正日"国防委員長"に会いに行くと、メルマガ「らいおんはーと」5月20日号に書いていたからだ。
 しかし、政治家もマスコミも、金 "総書記"との首脳会談に関し、拉致3家族そろっての帰国や安否不明の拉致被害者10人に関する再調査を大きく扱ったため、 拉致被害者家族はもとより世論も、「2家族5人だけ」にガッカリしただけでなく、"人道支援"の食糧25万トンや1千万ドル相当の医薬品を贈ることが、 拉致家族帰国の取引(身代金)に使われたと失望したり、怒るのだった。
 肩書はちがっても、同一人物ではないかと思うかもしれないが、首脳会談で金"国防委員長"は、人道支援を歓迎し、 平壌宣言を順守すれば経済制裁を発動しないとの言質を引き出し、ミサイル発射凍結を再確認したが、不明10人に関しては、 なんの確約もしなかったではないか。
 元米兵の"脱走・亡命者"に関して、金国防委員長もイラク戦争で窮地に陥っている米国(人)が絡むとは、 予想もしなかった展開に、今ごろ、ほくそえんでいるかもしれない。
 "人道支援"は美しい言葉だが、やはり盟友山拓サンに先導役をやらせた"詭弁"宰相も、 (ブッシュを筆頭に)外国要人にはなす術もなく、足元を見られた交渉に終始した。そのツケを甘受しなければならない、 われら日本人は不幸な民族だと思うが、如何。

「裁判員制度」
 いまだによく理解できないのが、このたび法律として成立した「裁判員制度」の導入と国民の負担(守秘義務など)の大きさである。
 5月21日参議院で可決成立した「裁判員法」は、国民に、殺人や傷害致死など重大な刑事裁判の審理への参加を義務づけるもので、 本職の裁判官とともに有罪か無罪かを決めなければならない……という。
 ちかごろ、本職が重すぎる判決やトンチンカンな判決を下すからかと思ったが、司法の場への国民の幅広い意見を反映させることがネライで、 09年からスタートさせるそうだ。
 有権者から、くじで6人を選び、裁判官3人とともに、地方裁判所で有罪・無罪を判断し、量刑を決めるのが仕事というが、 法律の専門家でもなく、犯罪や刑務所にも縁のない小市民が、いきなり呼び出され、冷静かつ的確な判断ができるものかどうか。
 メデタク? 選ばれたあとが大変である。サラリーマンに限らず、仕事を休まなければならないが、 報酬(休業補償)がいくらかも明示されていない。
 もっと厄介なのが守秘義務で、現在も過去でも裁判員は、評決時の「有罪」「無罪」の数などを口外すると、 6か月以下の懲役か50万円以下の罰金だという。「真剣に議論した」とか「評決が終ったのは5時だった」などもいけないそうだが、 知りえたことを何でも吹聴したくなるのが、人間の習い、これでは犯罪人を増やす結果にならないか。
 いちばん犯しやすいミスは、裁判所を出たとたん、つい「いま、裁判終った!」と家族や友人に電話することだろう。 当日はケータイの携帯は禁止とされるだろう、きっと。
 もっとも、裁判員を辞退できる場合もある。たとえば、70歳以上の高齢者や病気、育児、介護などの理由や、 「やむをえない理由」として思想信条による辞退も、政令で認めるという。 もう一つ、国会議員や法曹関係者らは裁判員になれないそうだ。
 そうか、若くて健康で、育児も介護にも縁がなく、確固たる思想信条のない人は、国会議員になればよいのか。 最悪でも、裁かれる側だけだから……。

「学歴詐称」
 年金未納問題にしろ、学歴詐称にしろ、菅直人代表や古賀潤一郎サンは、民主党だから辞任・辞職しなければならないのかと思っていたが、 昨今、自民党のほうが豊富なコマを揃えているだけ、いくらでも出てきそうである。
 文部科学省の原田副大臣(自民党)が、ホームページなどで公表していた米国ボストンの「タフツ大学院卒業」はウソだったとして、 その職を辞したという。その昔、三流官庁といわれた、元文部省としては学歴にウソは洒落にもならないからか。
 副大臣というのは、政務次官の名を替えただけのモノかと思っていたが、大臣の代行をするなど権限が強化されたそうだが、 相変わらず昔のクセは直らない!?(ついでに言えば、都立高校も今年度から、教頭を「副校長」に昇格させているが、報酬は変わらず?)。
 それにしても、どうして、公人、いや国会議員を目指そうという人たちが、そろってウソをつきたがるのか。 すぐバレることを想定しないなんて、先の見えない輩に、よく政治を任せられるもんだ、有権者たちは……。
 そうか、恋は盲目、いや目をつぶって知らん振りしたほうが、あとで恩を売りつけ、利権にありつけるからか。

「転んだブッシュ」
 92年1月早々、東京で日米首脳会談が行われたとき、宮沢首相との夕食会の最中に、当時の米大統領、 いまパパ・ブッシュがとつぜん倒れ、その映像がNHKや米ABCから流された。
 これで「ブッシュ再選」はないと、アメリカの年鑑? 制作者は、大胆にもそう"記述"して印刷に回したという。 案の定、その秋の大統領選で、民主党のクリントンとゴアのコンビが誕生した。
 さて、いま04年5月、迷優ブッシュ2世らが出演したマイケル・ムーア監督の、米政権のイラク政策を痛切に批判した「華氏911」が、 フランスはカンヌ映画祭で最高賞を受賞した。
 この映画の上映に、配給元のディズニーランドと弟ブッシュ・フロリダ州知事がちょっかいを出したことで話題になるなど、 米国内での前評判も"上々"のうえに、イラク政策に批判的だったフランスでの受賞は、またハクをつけた格好だ。
 それを予測していたのか? ブッシュ2世はサイクリングの途中で転倒し、あごや上唇、鼻の頭、 右手と両ひざなど数か所に傷を負ったという。17マイルの残り1マイルでの"事故"というところが、何かを予想させますな!?
 ちなみに、民主党のケリー大統領候補もサイクリングをしていたが転ばなかったという。 これがニュースになるなんて、次期大統領選は、ちとレベルが低すぎるのではないか。

(以上、2004年5月26日までの執筆)


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