懲りずにコラム目次

「懲りずにコラム」 2004年4月下旬号

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「危険手当は、"棄権"手当だった」
 イラクで人質となった日本人3人が救出された直後、政府与党はこぞって、彼らを非難した。 なかでも公明党の冬柴幹事長は「"救出"には莫大な費用がかかった」と憤る"ポーズ"をとった。 退避勧告を無視したのだから、自己負担をしろということらしいが、なにが"莫大"なのかを明示せず、卑怯な言い方だ。 まるで自分たちの力で、"救出"したような印象を与えるではないか。
 派遣したのだから自衛隊は"正規軍"だが、彼らは単なる"ゲリラ"というわけであろう。 政府のホンネは、たぶん「余計なことをしやがって」だろうから、それなら"放っとけ"ば、よかったではないか。 彼らだって、"なりたくて、人質になったわけではない"はずで、ついでに言えば、「助けてくれ!」との、シグナルもなかった。
 もし、ツケを請求したいのなら、"人質3人組"を肴にした政府自民党や野党、そして大げさな報道をするメディア、 それらによって最大の悲劇を"期待"したものの、はずれてがっかりしている? 多くの国民にすればよいではないか。
 さらに、武装グループに対する小泉首相の不用意発言、いやホンネの"テロリスト"呼ばわりが、救出を遅れさせたともいう。 費用の半分は小泉首相の負担とすべき。それがスジというものであろう。
 こんなときに、国民の税金を"人質"にして欲しくないね。 引きこもっていてもサマーワの自衛隊員には日当3万円を支払うのだろう。 また国会が延長されたときの、職員に支払う残業代だって"莫大"ではないか。 不良債権処理に莫大な税金をつぎ込んだり、国民年金などを勝手に流用したりする役人の、いったいだれが、 どう責任をとったのか。

「"証拠書類"」
 単なる"自白"だけでは証拠にならないと、いうつもりであろうか。上記の"莫大な費用"に関し、用意周到にして、 かつおよそ危機管理意識に欠けた文書をお目にかけよう。 小泉内閣メールマガジン「らいおんはーと」の第137号「イラク人質事件」は、4月15日朝7時発信のものである。
 「(前略)政府は、直ちに対策本部を設置して一刻も早く3人が無事に解放されるように、全力をあげています。
 官邸では、官房長官を中心に関係各省が緊密に協力する緊急対応態勢を立ち上げました。 事件の第一報が入って以来、官邸地下の危機管理センターにおいて、内閣危機管理監はじめ多くのスタッフが夜を徹し、 24時間体制で情報収集や対応にあたっています。
 外務省では、外務大臣が各国の外務大臣に電話して協力を求めるなど、人質解放に向けた努力を始めました。 翌日には、逢沢外務副大臣を隣国ヨルダンのアンマンに派遣し、逢沢副大臣が現地緊急対策本部の指揮を取っています。
 そして、外務省地下のオペレーションルームに特に集められた職員など常時約100人が、 諸外国への働きかけや在外公館との連絡、対応に昼夜兼行で取り組んでいます。
 このほか、警察庁や防衛庁など関連する政府の力を動員して人質の救出に向けて努力しています。(後略)」
 あまり上手な文章とはいえず、首相自ら書いたとも思えないが、とにかく日本国の最高責任者の言葉。 どの省庁も、今回初めて"夜を徹して"仕事をしたといっているようなものだ。語るに落ちる、の典型である。 でも、彼らは年中この程度の"仕事"をしていると、私は弁護したいですね。
 しかし、「官邸地下の危機管理センター」と「外務省地下のオペレーションルーム」、 これこそ漏らしてはいけない情報であろう。 ともあれ、小泉首相も今回は緊張感をもって"危機管理"のシミュレーションができたことを、むしろ3人組に感謝すべきではないか。
 〔付記〕その後、「らいおんはーと」第138号「朝日ににほふ山ざくら花」の一節に「事件発生以来、3人と2人、 合計5人の皆さんの無事救出のために政府として全力をあげてきました。 関係者のご尽力とイラクの聖職者の方々をはじめ世界各国からのご支援とご協力に心から感謝いたします。/ 今回は、犯人グループの要求には屈しないこと、しかし、人質を無事救出しなければならないという極めて難しい仕事でした」 とある(4月22日付)。
 何をやったのだか知りませんが、とくにコメントはありません!!

「表現の自由、とは」
 国民も、多くのメディア関係者も誤解しているのが、「表現の自由」である。 新聞や雑誌、テレビなどが"自由に"情報を発信できるのは、まさしくこの権利(日本国憲法第21条)のおかげだが、 それだけではない。
 このたびのイラク人質3人組に対して、「自作自演」「自業自得だ」「迷惑だ」などと、国民が勝手に言えるのも、 この自由が保障されているからである。ならば、3人組が言ったとされる「自衛隊の撤退を!」が、 なぜ非難されなければならないのか。
 自宅(安全地帯)にいる、正義ぶったエセ紳士たちは、政府およびそれに便乗して? 情報操作するマスメディアに乗せられ、 "勝ち組"意識に浸りたいのはなぜか。何が真実かをよく見極めず、「あいつはアカだ」「非国民だ」といえば、 "救済"されると思う愚かをまた繰り返そうというのであろう。
 ブッシュのアメリカは"自己責任"でイラク戦争を始めたのだから、それこそ勝手だが、 コイズミ日本はアメリカに同調しなければ、"勝ち組"になれないと思ったからで、その結果責任を国民に押し付けてはならない。
 しかしながら、自衛隊派遣はおろか憲法改正を目論むコイズミ自民党を支持した国民はその責任を取らされることを、 まさか忘れてはいやしまいね。
 〔付言〕かつて、公用語に横文字が多いとイチャモンをつけた小泉さん、平仮名で書いても「らいおんはーと」(獅子の心?) は横文字ではないか。きちんと日本語で書いてもらいたいね、正直に「虎の威、ことキツネ」とでも。

「こちらも3人組!!」
 お笑い3人組とかズッコケ3人組、まただんご3兄弟、古くはアメリカにマルクス3兄弟もいたが、国民年金不払い3人組ほど、 しまらないものはない。いや、3年も政権が持つなど予想もしなかったとほくそえむ小泉サン、一内閣一閣僚が信条だそうだが、 ボロは出る前に、隠さなきゃ?!
 未払い3閣僚そろって、似たようなお詫びをするのもコッケイだが、"国を守る"に忙しいのか石破防衛庁長官は、 02年9月以降の未払いを「うっかりミスで申し訳ない」と陳謝したものの、社会保険庁は「資格喪失」扱いにしていたとか。 "官庁"もヤルもんですなあ。
 この件に関連して、小泉サンの60歳になるまでの支払い状況について、福田官房長官は「個人の情報」だから、 答えを控えるとした。つまりは、払っていなかった可能性もあるといわんばかり。さらに、3人組について、 「起こっちゃったんだから、仕方がないだろう」とか、他の閣僚についても「個人情報」を"盾"に秘匿しようとしているのは、 まずい方々が多いということではないかしらん。
 ところで、わが身も守れない人が、国を守れるか? の疑問も呈せないマスコミ陣は何をしているのだろう。 仕方がないから、この人たちに教えてあげよう。むかし、修身斉家治国平天下という言葉があったことを。

「悩ましい問題」
 ときは25日。ところは、観客席に大きな空間(緩衝地域)を設けて、それぞれブルーとレッドの旗が大きく振られた国立競技場。 アテネオリンピックに向けての女子サッカー最終予選で、日本は7連敗中の北朝鮮に勝って、出場権を獲得した。 メデタイかぎりだが、あとがコワイですねえ。負けた北朝鮮の選手たちは、無事本国に帰れただろうか。 ついでに言えば、韓国も出場権を逸したらしい。
 時あたかも、同国における列車爆発事故が大きく伝えられ、すぐさま韓国は100万ドル、 中国は120万ドル相当の人道支援を打ち出した。かたや、"拉致"被害国日本は、どうするかといえば、 一日遅れて医療品など10万ドルの緊急援助を決めた。
 元拉致被害者の支援に"貢献"した安倍自民党幹事長は、「国際社会が支援していくときは、 当然われわれも人道的な問題について検討しなければならない」といっていたとか。
 新聞はこれを"援助に積極姿勢"と書いたが、「国際社会が支援していく」という前提での、 やむを得ずという"論理"のどこが積極的なのか。しかも高々、10分の1ぐらいで…。 アメリカも同額である、うーん、日本に追従したかな。
 さて、この爆発事故で、多くの小学生が被害にあった。中国への極秘訪問から帰ってくる将軍サマの列車は、 事故の9時間前に通過したらしいが、被害者への見舞いはおろか、肝心の将軍サマの消息は伝わってこない。

(以上、2004年4月28日までの執筆)


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