似非エッセイ目次

似非エッセイ 2003年2月上旬号

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「遠くの借景」
 富士山は秋から春まで約半年間、よく晴れて、 半径200キロメートルの広範囲で月に20日近くその雄姿を拝めるという。 わが7階のベランダもその例に漏れず、遠いけれど今朝は近くの川崎の丘陵、 ついで雪をかぶった丹沢連峰を前に見事な姿を現している。
 丹沢連峰といえば、10年ぐらい前、そこに生息する鹿の管理小屋から、 冬は積雪でエサが乏しくなるので、使用済みのお茶の葉を送ってほしいという案内があった。 せっせと茶殻を干して送ったものの、ある程度の分量を集めるのに手間がかかり、 2年とは続かなかったことを思い出した。
 その後、どうなったかシカと存ぜぬが、毎日のように富士山を眺められるのはありがたいと、 日本人に生れた幸せを感じる。
 数年前にマンションが建つまでは、もっと景色がよかったのだが、いまでも全景が見える。 快晴の日には、夕方までその姿が消えることはない。
 あるとき、カミさんが「富士山の近くに住みたいわ」というので、 「前のマンションに引っ越そうか」と冗談にいうと、めずらしく笑っていた。 きっと、本気でない私にあきれたからであろう。

「進化する?! 花粉情報」
 今年は、平年の3倍以上という花粉の"当たり年"らしい。 敏感な人はそういう話を聞いただけで、鼻がむずむずしてきたり、 涙が出てくるという、お気の毒に。
 一方、3年後には1時間ごとの"予報"ができるようになるというニュースには、 笑ってしまいましたね。
 「午後から雨が降るでしょうから、傘をお持ち下さい」などという、 バラエティ風の"天気予報"もお節介だが、「東京地方…午後3時以降、猛烈に杉花粉が飛ぶでしょう」 「明日は正午ごろから、関東全体が花粉に覆われるでしょう」などと、 細かな予報をされたところで、だれが喜ぶのか。
 花粉に弱い人にとっては、花粉の元を断ち切る手立てとか、 効果的な花粉対策を講じてほしいことだろうに。
 何ごとも研究するのはよいことだろうが、これでは"花粉業者"(筆頭は、製薬会社か)が潤うだけではないか。
 私はまだ花粉アレルギーではないが、そのうち、わが家で年中舞っている"家粉"にやられるかもしれない?!

「"カリスマ"事務局長」
 カリスマ美容師が、じつは資格を取得していない人物だったり、アメリカのカリスマ主婦も、 インサイダー取引疑惑でマスコミから姿を消すなど、すっかり値打ちを下げ、 近ごろ耳にしなくなった言葉"カリスマ"が、某週刊誌で甦ったのには驚いた。
 北朝鮮"被"拉致家族の一人、蓮池薫さんの兄透さん、「被害者の会」事務局長が、 カリスマなのだそうである。
 たしか、"被"拉致家族を帰国させるチャーター機を飛ばすのにも、彼の許可が必要だった、 という話を私が聞いたのは昨年10月中旬のこと。 彼自身は、勤務先東京電力での原子炉の燃料漏れ事故が"幸い"して"専念"してだけのことだろうが…。
 カリスマとは、予言や奇跡を行う超能力とか、それらを背景にした支配者のことらしいが、 カリスマ女子高生というのもあった。
 日本のマスコミでは、コトバはいつも、その場限りの"仮住まい"、とやかく言うほどのことはないか。

「なぜ? 将軍様なのか」
 今年になって公共放送の定時ニュースでは、決まって某国のドン、 将軍さまがバルコニーから大きな顔だけ出して、民集に拍手を求める (らしい)映像を飽きることなく連日流しているのは、なぜだろう。
 わが善良なる国民を"洗脳"しようという意図でもあるのだろうか。 もし、意図など何もないとしたら、同じ映像の流しっぱなしでは放送局の怠慢であろう。
 もう一つは同じ某国の核開発関連の資料映像で、いつも同じ白衣の技師が、 いくつもあるダイヤルを操作する場面ばかり使っていたことがあるが、これも最近の定番である。
 適当な映像がないという"理屈"もあるだろうが、何度も流すのは青少年に悪影響があると、 アメリカでも"9・11"の反省があったではないか。
 といっている間に、テキサス州上空でスペースシャトル「コロンビア」が、 空中分解する映像が流れた。 それにしても、広いですねえ、ブッシュ牧場にはカスリもしなかったのですから。

(2003・2・3までの執筆)


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