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からむコラム 2002年10月下旬号

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「とりあえずビール?!」
 今月半ばからの、北朝鮮拉致被害者とノーベル賞ダブル受賞の報道はいささか異常である。 いま流行りのメディアスクラム(集団的過熱取材)の"実験"としては、規制側には格好のものだったかもしれないが……。
 24年ぶりに帰国した拉致被害者と、失敗から新発見をした"変人"ノーベル賞受賞者はともに40代半ば。 それでも仲間が催す同窓会など"祝賀会"に引っ張りまわされているのは、お気の毒なこと。 これを贔屓の引き倒しという。
 境遇のちがいが厳然とある"これまで顧みられなかった被害者"と"いつもは相手にされない変人"に対する、 人気タレント来訪のごとき歓迎ぶりには、空恐ろしいものが感じられる。
 何かあると、冷静さを失い、人とは異なる行動をとれないのは、日本人の悲しいDNA。 迎える側には"にわか親友"もいたかもしれない。
 テレビの音声を消せば、金日成バッジをはずした被害者も、自分の名を冠した研究所をプレゼントされる受賞者の場合も、 歓迎の行列や会食風景はみな同じにみえる。また、キャッチボールをする風景は、小泉首相のパフォーマンスと同じであり、 ダブル受賞者を官邸に迎えた同首相は、両氏の手を掴んで"三兄弟"などとはしゃいでいた。
 ところで、"被害者"には北の公安関係者がぴったりとくっついて監視しているという。 そして、これら歓迎行事のテレビ画面は録画され、新聞報道とともに持ち帰って、今後の参考にされることだろう。
 お人好しのわが国民が、よかったよかったと手放しで喜んでいるスキに、また拉致が起こるかもしれない。 今度は、ノーベル賞受賞者の"頭脳"だったりして(冗談ですよ!)。

「ノーベル平和賞」
 今年度のノーベル平和賞に、ジミー・カーター元アメリカ大統領(ピーナッツ農場主)が選ばれた。 授賞理由は、在任中および退任してからも国際紛争の平和的解決に貢献したからだという。 もっとも、現ブッシュ大統領の対イラク政策批判も含まれているとは同賞委員会のコメント。 単純な理由では、1億3千万円はくれないらしい。
 一方、最近になって、2000年に金大中韓国大統領が同平和賞を授賞したのは、 激しい事前運動(ロビー活動)をした結果だと韓国内で報じられ、(授賞に)南北会談を利用したと野党から批難されている。 同国首相は「ノーベル賞はロビー活動で受けることのできる賞ではない」と反論したというが、本当だろうか。
 前例がある。わが佐藤栄作元首相は1974年、沖縄返還問題などでノーベル平和賞を授賞しているが、 工作資金として5千万円を使ったと噂された。そして、最近になってノーベル財団が、 この授賞は間違っていたとコメントしたなどとの報道があった。
 日本政府は、昨年"50年間に30人のノーベル賞受賞者の実現"を掲げ、ストックホルムに出先機関を設けている。 中には、世界の著名人と会見し、多額の献金をしている宗教人もいるという。
 ともあれ、賞につきものの疑惑は、かなり前に出されたノーベル賞の内幕を描いた『ザ・プライズ』にくわしい。

「評価できるか"愛国心"」
 福岡市内の小学校69校(全144校)では、本年度から6年生の通知表に「国を愛する心情や日本人としての自覚」をABCの3段階で評価する項目が盛り込まれたが、 在日外国人から"日本人の自覚"を評価することや、国籍や名前を理由に差別されるなど弊害があるとクレームがついているという。
 日本人に日本という国を愛するかどうかを聞きたい気持ちはわからないでもないが、 それをだれがどのように評価するのだろうか。
 そもそも、愛国心は人それぞれの自覚の問題である。それを教育上の問題にすり替え、 日本人としての自信や自覚に乏しく、表面的かつ職業的な"愛国者"(教育委員会、校長やその追従者)によって、 発展途上にある子どもたちの人生が左右されてはたまらない。
 ついで、東京の話。絶対評価による中学生の成績評価について、都教委が調査したが、 「1」「2」が少なく、「5」や「4」が多くなっているのは「おおむね適正」であるとの判定を下した。
 しかし、東京私立中学高校協会は、「入試の判断にはなりにくい」として、来秋に国語、数学、英語の到達度診断テストを実施し、 中学ごとの平均点や得点分布を把握するという。現実はどうか。私立高は志願者が定員割れをするところが多く、 募集人員の45%強が推薦枠となっている状況で、テストをやって何の効果があるのだろうか。
 いま、文科省によって追放された"業者テスト"が、その文科省の学習指導要領の改訂により、 新たな"業者テスト"が復活することだけはたしかである。 泣かされるのは、このようにいつも大人に振り回される児童・生徒である。ああ、

「北は美人の産地」
 韓国釜山で行われた第14回アジア大会が終わった。
 日本選手の活躍は、競泳で世界新を出しMVPに輝いた北島選手など、いないわけではない。 しかし、獲得する金メダルの数を過去最高(94年、広島大会の64個)を上回るという意味で65個 (現実には44個)としていたのは、関係者の"悲願"でしかなく、また言訳もいつものとおり 「かなりの危機感を持って強化にあたらなければならない」と問題を先送りするばかり。
 ちなみに、トップの中国は150個、2位は主催国の韓国96個、日本は3位、北朝鮮は32個で9位だった。
 この大会の大きな話題は、南北朝鮮選手団の統一旗による入場であったが、もう一つ韓国人の目を見張らせ、 韓国メディアも熱中したものがあった。それは、北朝鮮が送り込んだ応援の"美女軍団" 約280人である。 メンバーは平城の芸術団員と女子大生とされ、10代後半から20代の美女ぞろいという。
 応援席での各人の位置も決まっており、彼女らの歌や踊りは、競技とはまったく関係なく、 突如として始まり、リーダーのサインにあわせて、鳴子を鳴らしたり、体を揺らす。 そのため、各人にファンと称する若者が群がり、「統一したら結婚して」とか「勉強に身が入らない」 などと言わしめるものだったという。
 それほどまでに若者たちを惹きつけたのは、金総書記のシナリオによる?"アリラン祭"の演出とかで、 南の人たちを軟化させる"思惑"は、ずばり当たったとか。
 しかし、単に美女を集めただけなのか。その昔アメリカから帰ってきて初代韓国大統領となった李承晩 (在位1948〜60)は、経済や産業では北に負けないものの、何が悔しいといって嘆いたのは、 「北に美人が多い」ことだった。
 日本でも、新潟や秋田など寒さ厳しい北国が美人の産地といわれたように、 地理・気候による人的"優劣の差"はいかんともしがたいようだ。

(以上、2002・10・21の執筆)


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