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からむコラム 2002年10月上旬号

9月号     10月下旬号


「王監督はいつ日本人になった?」
 今日は懐かしい?「体育の日」を偲んで、スポーツの話題から。
1)日本人には"身びいき"がよく似合う。活躍する選手や人気のヒーローがいれば、すぐにファンになり、 惜しみなく声援を送る。それでも変なのがプロ野球の世界。
 ダイエーが、王監督のホームラン55本の"日本記録"を去年・今年と続いて、 外国人選手に破らせたくないという"心理"が解せない。
 すでに10数人の日本人が大リーグで活躍し、また巨人の松井も海を渡りそうだという時代に、 外国人を差別するのは"箱庭野球"を好む"島国根性"からか。
 ところで、"世界のワンちゃん"こと王貞治氏は、生れは日本でも国籍は台湾ではなかったか。 ファンにとって、ヒーローは漢字名でもカタカナ名でも同じではないか。
 さて、「体育の日」は38年前、昭和39年の東京オリンピック開催を記念して、祝日とされたもの。 その年に55本の日本記録が生れた。本来、記録は破られるためにあるのではないか。

2)サッカー日本代表の監督に、往年のブラジル代表ジーコが就任した。 この世界はグローバルで、どのクラブチームにも各国の選手が入り乱れている。 昨日の敵が、今日は味方になる(その逆も)のは日常茶飯事である。
 さて、無名選手トルシエ前監督に泣かされた日本サッカー協会やマスコミは元"名選手"で、 日本でもプレーをしていた新監督には好意的、手放しの対応である。
 最近も、アジア大会で、日本代表のプレーを視察したとき、新聞はある選手の活躍に 「(ジーコが見ている)"御前試合"で…」と書いていた。 大時代的というか、今からそんなに持ち上げていてよいのか。
 真偽の程は分からないが、彼は日本でのゲーム中、"神聖な"ボールにつばを吐いたこともあるというのに。

3)危機存亡の"国技"大相撲を救った? のは、お騒がせ横綱・貴乃花であるが、 場所前に「引退勧告」をちらつかせ、こき下ろしていた横綱審議委員の手のひらを返したような絶賛ぶり、 またマスコミ報道にも呆れたものだ。
 可哀相なのは、勝負の世界に"金星"を上げた相手や、片八百長などといわれたり、 相撲を取る前から負けていた力士である。貴乃花に味方する"全国民を敵に回した"とか、 相当な重圧だったのではないか。
 この偏りは、先の長野知事選挙なみの異常さであるが、政治不振・経済不況で先の見えない閉塞状況に、 このような"明るい話題"は世論を操作するのに格好のものとなった。
 新人原監督率いる巨人も圧倒的な強さで優勝した。 さらに、飛び出したのがノーベル賞での日本人初のダブル受賞で、 これでアメリカがイラクを攻撃し、日本も"参戦"するとなると、いちばん喜ぶのは小泉首相たちであろう。
 この、脈絡のないドラマの連続が、曲者なのである。

「先生もいっしょに進級しよう!」
 埼玉県教委が、中学1年生は環境の変化に戸惑って不登校になるケースが多いため、 中学の先生を小学校に異動させ、5、6年生を担当し、一緒に中学に入ろう(戻そう)という"妙案"を考えたそうだ。
 素晴らしいではないか! 県教委は児童生徒の将来まで、ずっと面倒を見るというわけだ。 親の転勤など家庭の事情で他県へ出たり私立に行くケースもあるが、そのときは先生を連れて行くのだろう。 また、ある先生を慕う子ども同士で、仲たがいも出てくるかもしれない。 モテモテ先生は困るだろうな、きっと。
 先生にも転勤があるし、途中で病気や出産など、長期休暇やリタイヤする場合もあるだろう。 先生と離れられない子にはうちに来なさいとか、外国に行くけど、いっしょに行く?  などとさまざまなケースも想定される。そんなときに、どう解決するのか。
 ところで、その利点は小学生がより専門性の高い授業を受けることができ、 中学の先生も小学校のきめ細かい指導を学べるからだという。 一見、子どもたちに配慮したアイディアに見えるが、この短絡的な発想にはびっくりさせられる。
 何のことはない、これまでの小学校、中学校の教授法に欠点があったため、 それを是正するため、生徒をダシにしただけの話ではないか。
 これ以上子どもを過保護にして、自立心をなくさせ、学校にも家庭にもパラサイトさせて、 どうしようというのか。そのうち師弟で結婚するケースも出てきたり、 親子2代で同じ先生を奪い合うこともあるかもしれない。
 子どもたちに、ちがった世界へ踏み出す手助けをするのが教育ではなかったのか。

「まだ存在するの? 社民党」
 社民党の委員長、土井たか子さんの名をパソコンのキーボードで叩くと、 「退いた過去」さんになってしまった。しかし、現実には、跡を継ぐ人材がいないらしく、 まだ"退いた過去"さんは健在である。
 かなりの年齢なのに、痛ましい限りだが、かつて民社党(「ややこしいな、字を入替えただけではないか」などというなかれ) が消滅したように、党そのものの存在理由が希薄なのではないか。
 次の委員長候補、同党の"ホープ"だったという辻元清美サンが、ムネオ代議士逮捕の一端を担いだものの自らの不祥事で議員を辞職し、 このたびは比例代表で同党のトップ当選した男っぽい学者、田嶋陽子議員は委員長の辞任勧告を拒否して離党を宣言し、 無所属となった。
 端緒は北朝鮮の拉致問題だという。旧社会党時代から北朝鮮労働党との党間交流を続けてきたことに、 委員長は「自ら省みて申し訳ない。拉致被害を受けた家族にお詫びしたい」と謝罪した。 一方、同党が9月の日朝首脳会談以降も、拉致事件を否定した民間研究者の論文を党のHPに掲載し、 今月4日に削除したことについて、「一個人の見解で、党の見解ではない」とした点などである。
 ともあれ、この言訳は政府自民党的、でなければ大企業の首脳級で、独自の党派性はなく、 きわめて日本的である。
 さて、田嶋センセイは後継委員長として、同じ学者出身という点で、雰囲気、見た目にも最適だと思っていたが、 これでは"護憲"一点張りで他に魅力を感じない党そのものが"退いた過去"になりそうだ。

(以上、2002・10・10の執筆)


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