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飽きずにエッセイ2005年8月上旬号

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「男社会は、なくならない」
 あまり血の巡りが良くないせいか、近ごろやたらかまびすしい"男女共同参画社会"だの、"ジェンダーフリー"という言葉には馴染まない。 お互いを尊重すればよいではないか、という以外にない。
 「男らしくない」とか、「女らしくしろ」という表現は、何に根ざしているのか知らないが、そう思うことはあっても、 あまり口にしたことはない。このような"決め言葉"は、往々にして相手を傷つけるからだ。
 ところで、政府税制調査会の非公開会合(5月)で、専業主婦について、「変な生命力のない人たちが、お金を持ってぶらぶらしている」とか 「専業主婦で時間がいっぱいある人こそ、コンビニで買ってきた発泡スチロール(の容器に入った食べ物)で(家族に)食べさせちゃう」などの意見が、 複数の委員から出ていたという。
 よく見てるもんですねえ?! その委員さんらは、よっぽどヒマなんでしょうか。察するに、コンビニから出て来たどこかの"専業主婦"を、 ずっと付けていたんでしょうか。そして、怪しまれずに、その家に入り込み、食事時までいたのでしょうか。 ちょっと想像を絶する光景ですねえ(じつは、自分のカミさんだったりして)。
 さらに、「変な生命力のない人たち」って、どういう人たちなんでしょうか。また、「パラサイト・ワイフ」なんて発言した委員もいたそうで、 ご本人は今年の新語大賞を狙ったのかもしれませんが……。こういう新語を作るのは、学者や役人に多く、「団塊の世代」以来ですねえ。
 そういえば、以前「濡れ落ち葉」なんていう、侮辱的な言葉が流行っても、大の男たちが反論したというのは聞きませんでしたね。 達観しているのでしょうか、それとも諦めているのでしょうか。
 話もどって、少し前の新聞「郵政民営化 政府プレゼン資料で"差別"/主婦・高齢者IQ低い/"人権侵害ではない" 法相答弁に野党批判」によれば、 「財界勝ち組企業、大学教授」などがAランクに、「主婦層、シルバー層、具体的なことは分からないが、小泉総理のキャラクターを支持する層」などをBランクにしていたそうです(東京05・07・02)。
 国民各層に、郵政民営化をどう広報するかの、プレゼンテーション資料にこの分かりやすい表を付けた企業は、 "優れものの集団"ではないかしらんと思いますねえ。しかし、困ったことに、Aランクの大学教授は"男性"だけを指しているのでしょうから、 主婦でもある大学教授は、ABランクかな。それとも、O型というのかしらん!?
 要するに、"男らしくない"男たちの考えることを、この程度だということを"女らしく"認めない社会は、そう簡単にはなくならない?! ということでしょうか。

「談合こそ、共謀罪では」
 今国会で、密かに審議入りしたという「共謀罪」というのは「罪を犯さなくても、相談しただけで逮捕されかねない」という法律だそうだ。 最高で懲役(もしくは禁固)5年の刑罰とか。事前に話し合っただけで、罪に問われる一方、実行前の自首による減刑、 免除の項目もあるというから、密告やスパイの奨励という"禁断の木の実"にもなりかねない代物でもあるらしい。
 しかし、法務省は「組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の共謀行為に限り処罰する」とか「単に漠然とした相談や居酒屋で意気投合した程度では、 本罪は成立しません」などと国民の懸念材料を打ち消す。一方、「成立すれば、拡大解釈されるのは当然」と反対する人たちは、 「もし、対象が暴力団だけなら条文にそう書けばいい。しかし、実際には書かない。凶器準備集合罪にしても立法時は、 暴力団対策と説明されたが、反政府運動に適用された」。さらに、「法律が一度できてしまえば、当局は共謀を立件するため、 今度は99年の盗聴法の際に推進論者が主張した口頭会話の盗聴を合法化するよう動くだろう」と警戒する。 組合活動も対象となると懸念する向きもあるという(以上、東京05・07・06)。
 暴力団の場合は"凶暴"行為といい、政治家をめぐる贈収賄こそ"共謀"行為といって、そのちがいを峻別すべきであろう。 思うに、スポーツで優勝したときの監督胴上げなどは真っ先に"共同謀議"の罪となりかねないだろうと予測する?!
 それはさておき、天下りの目的が"談合"にあるかのような昨今の官僚と産業界入り乱れての犯罪行為は、独禁法違反ばかりか、 まさに「共謀罪」そのものではないか。早く成立させて、この諸悪の根源である「天下り」の悪慣行を断ち切ることこそ、 最優先すべきである!!
 《ちょっと待てよ、私は共謀罪に反対するつもりで書き出したはずだが…。そうだ、問題は"密告やスパイの奨励"である。 これこそ、保身のためには友人をも売りかねない、日本人のいちばんの"弱み"であり、その前段階として、すでに監視カメラが各地で設置されている。 ロンドンでの爆破テロ事件を受けてさっそく、日本でも増設の動きが出てきた。そして、次は、到るところに盗聴器の仕掛けである。 やはり、共謀罪には反対しなければ!! でも皆さん、これは私ひとりが言っているだけで、どなたとも相談してはおりませんゾ?!》

「中高生の性交渉は、禁止!?」
 高校生以下の性行為は"容認べきではない"との方向性が、文科省の中央教育審議会の専門部会で出ているという (「高校生以下の性感染症防止へ中教審が方針/"エッチだめ"で解決する?/決まれば…"教育現場 委縮する"」東京05・07・22)。
 先進国でエイズ拡大は日本だけという現実に、性感染症の予防が目的だそうで、「具体的な避妊の方法の指導も安易に行うべきではない」とは、 過激な意見ではないか。それでは、これまで文科省が率先していた(実態は及び腰だったが)性教育は、なんだったのか、ということになりかねない。
 以前にも本欄で書いたが(05・06・08「青少年の健全な育成とは」)、要するに「中高生は性交渉をしてはいけない、禁ずべきだ」との発想は、 大人たちの勝手な論理だけで、その対応が「安易」で、恣意的なことだ。
 たしかに、性交渉は、援助交際を含めある種の成り行きであろうが、性情報の受け止め方(リテラシー)の未熟さ、 エイズはじめ性病の問題や妊娠などに対し、無知ならびに無防備な性交渉は、わが身を滅ぼす、他人に迷惑をかけるなど弊害ばかりであろう。
 しかし、彼らを責める前に、親をはじめまわりの大人たち、教育や生活環境(性情報の氾濫など)に、その責任はないのか。 大人として、自ら倫理観や自制心を持ち、彼らに対しても、それらを身につけさせるよう自覚してこそ、初めて"世の中"は成り立つのではないか。
 また、なぜ高校生以下なのか、よく分からない。現行の民法(第3条)により、男は18歳、女は16歳以上であれば、 結婚が認められており、かつ「成年」とみなされるという現実がある(戦前は17歳と15歳であった)。 まさか、結婚してもよいが、性交渉はダメだと野暮なことは言わないだろうが、16歳や18歳は高校生でもある、さあどうしよう?!
 が、抜け道もあるようだ。要は、学校に行かなければよいのだ。そして、ニートだか、パラサイトだかを決め込み、 結婚して子どもをたくさん産み、生活保護を受ければいいじゃんか!? 国家のために、結婚し子どもをたくさん産み育てて、 働く暇もないからといって、"何気に"国家は君たちを見捨てようか。
 そうだ、もう安心してもよいだろう、若者諸君! 非婚化、晩婚化、子どもを生まないという風潮に、歯止めをかけようと、 早婚に子育てに努力をしよう。そのうち憲法を改正し徴兵制ともなれば、その時はエイズも会津も関係なし、 「子どもは国の宝」「生めよ増やせよ」となるであろうから……。年金問題も解決して、諸君の老後は安泰であるぞヨ?!
 《なんだか、今回のコラムだかエッセイは、どれもヤケッパチのようですなあ?? 暑さのせいかしらん!!》

(以上、2005年8月3日までの執筆)


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