飽きずにエッセイ2005年5月上旬号
「社員にもATSを」
新聞の「新型ATS義務付け」などという見出しに、つい「新型肝炎」とかパソコンの「新型ウイルス」などあまり歓迎したくない言葉が思い浮かぶが、
尼崎JR脱線事故を受けて、国土交通省が全国の鉄道会社にATS(列車自動停止装置)の設置を義務付けるという。
もう一つは、運転手の健康状態や技量、能力を外部機関が定期的に検査する制度の創設に向けて検討しているのだそうな。
一見、結構ではないかと思いがちだが、これまで人命軽視、利益優先、事故責任は乗客の自己責任だけだったという証拠ではないか。
"尼崎"関連では、近隣の市民が見るに見かねて救助活動を行っているのに、事故そっちのけで、ゴルフをやったり宴会も行うなど、
JR西日本社員は堂々たる"脱線"ぶりである。きっと「みんなで渡れば恐くない」意識であろうし、「脱線当夜、衆院議員と宴会」なんて、
代議士センセイという"強い味方"をつければ、言うことなしであろう。この何が起こっても遊びを優先する「予定通り」の精神が、
大惨事を招く"運転手(だけでなく、社員や上司)の健康状態や技量、能力"の欠陥を露呈したのではなかったか。
宴会に参加した民主党議員も「現場の車掌らに事故の話を聞きたかったので参加したが(とウソの弁解をし)、
遺族感情を考えると(これも後出しの"配慮"をでっち上げ)、酒を飲んだことは軽率だった(何て、いかにも反省したフリをしているが)」、
ともかく、事故は事故、宴会は宴会と割り切っているところに、だれも本心から"哀悼"の気持ちなんてなかったのは、
不祥事のたびにそろって頭をさげたフリをする大企業などの首脳陣となんら変わらない。ということは四民平等、
民主主義の日本として、喜ぶべきかも知れない。
いやしかし、2001年2月、ハワイ沖で起きた米海軍原子力潜水艦と宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」の衝突沈没事故の際、
時の森「神の国」首相は、ゴルフの最中に事故の報告を受けたが、そのままプレーを続けたため(だけではないが)、
辞任に追い込まれたではないか。一国の首相でさえ、クビが吹っ飛ぶくらいだから、皆さんゴルフをやるときは、
いつでも中止して帰るフリをするぐらいの覚悟でやらないといけませんぞ。社会的な地位があろうとなかろうと。
でも、JR西日本の社員は安全なようだ。人事部長いわく「(宴会は)私的に開かれたもので、詳細を調査するつもりはなく公表もしない」そうだから。
しかし、これだけマスコミや外部に対し強気の人事部長のこと、車内、いや社内の粛清はかなりきつそうだ。(引用は、東京5・9より)
「女性専用車」
首都圏では、近ごろなぜか朝の通勤通学電車内での痴漢行為が急増しているそうだ。
電車内で、手当たり次第に? 女性の身体に触るなど、ひわいな行為の及ぶとは、男の風上(これは、もう死語か?!)にも置けない卑劣漢だが、
どうしてそのような風潮になったのだろうか。
このたび5月9日を期して、都営を含め大手私鉄などが一斉に、朝の通勤時間帯に女性専用車輌を設けたという。
「警視庁とJR東日本などは同日から、『痴漢・盗撮撲滅統一キャンペーン』を開始。新宿駅での出陣式では、
同駅長や竹花副知事らが『痴漢を撲滅したい』とあいさつし、朝のラッシュ時に車内や駅に私服警察官を重点的に投入、
20日までのキャンペーンで痴漢の取締りを強化する」(東京5・9夕刊)のだそうだ。“盗撮”はどこへ行ったのだろうね!?
しかし、記事の先を読むと、女性専用者が最も多いのは東急田園都市線で1日に87本もあるが、一方、「今回は試験運用」という京浜急行は6本だけの運行、
京成電鉄も4本だけという。混雑率の高いJR東日本や東京メトロでは導入は1路線だけというから、キャンペーンというには、
かなり"足並み"がそろっていないようだ。様子見の会社もあるのは、何それほど混まないか、みな上品な乗客ばかりといいたいからではないか。
それとも、"常連客"を他線に取られたくないからかは詳らかではない?!
テレビや新聞のインタビューは、「ラッシュ時でも、安心して乗車できる」などと"被害者"側の女性の声しかなかったのは記者に努力、
いや取材魂が足りないのではないか。ひところ"痴女"ということばが流行ったり、また女性グループによって痴漢に仕立てあげられるひ弱な? 男性が多かった
(正しくは、冤罪という)というのに。
男性側はどうか。知人の息子は、背が高いせいか腕も長いため、痴漢と間違われないように、両手を上に上げているそうな。
辛いのは血が下がってきても、なかなか下ろせないが、それでも我慢するのは健気である、いやお手上げの状態か。
痴漢もできず、結婚相手を探せない男たちはどこへ行く?!(これ、同情しているのではありません、念のため)
(以上、2005年5月11日までの執筆)
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