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飽きずにエッセイ2005年4月下旬号

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「"正当性"を主張する人たち」
 全国の小学校5,6年生と中学生合わせて約45万人を対象にした全国学力テストの結果について、新聞は次のように報じた。 「正答率 大半の教科でアップ/小中学生の学力低下に歯止め/新指導要領下で初 全国テスト/記述式問題は下降」(05・04・23東京)。
 「ゆとり教育」で学習内容を約3割削減した2002年春に導入の新指導要領下での初調査だそうで、学力低下が懸念されたが、 02年の前回と同じ問題で、正しく答えた割合(正答率)が全体的に上昇して、大半の教科で前回を上回り、低下傾向に歯止めがかかったというから、 わが息子・娘を見て、安心する親の多いことを祈ろう。
 この結果について、中山文科相は「学力低下に若干の歯止めがかかった。ゆとり(教育)じゃいけないと軌道修正してきた結果が表れた」と、 脱ゆとりの方針維持を表明したというが、政治家は気楽でいいですねえ。彼は昨年暮に発表されたOECDの学力調査(国際比較)で、 日本の15歳は学力が低下しているとの結果に対し、そう言ったまでで、今回の調査は04年1月から2月に行われたもの。 そんなにすぐ結果が表れる問題じゃないことに、世の親たちがいちばん悩んでいる!?
 ところで、「ゆとり教育」導入で、わずかながら「勉強は大切だ」、「勉強が好きだ」と答えた子どもたちが増えたのは慶賀すべきことである。 さらに、理科離れは進んでいないという千葉市の調査を根拠に、ある中学校の校長は「教師は大変だったが、効果をもたらしている」といい、 三郷市内の中学校の国語教諭も「自分で興味を持ったテーマについて考え、解決するという学習は必要だ」というから、 いままでの学習指導要領では、自分で考えないための"授業"が行われていたようだ。
 また学習内容を削減したことについて、横浜市内の中学校の国語教諭は「英語と数学で習熟度別、理科で少人数授業を取り入れた結果、 生徒が『分からない』といえる雰囲気がつくられ、ほかの教科にもいい影響を与えている」というではないか。 一方、歯止めがかかった理由について、親が危機感から子どもを学習塾に通わせている結果という見方もあるそうで、 ある大手進学塾の幹部は「ここ数年、小学生の入塾が毎年1割以上増えている。小学校の全教科で正答数の伸びが顕著なのは、 このためだろう」と。これを自画自賛といい、見方を変えれば少子化(あるいは親の放任主義)の結果といえよう。
 どれが、正答か、ジドウ的に生徒ウたちに聞いて見なければ……。

「30年前の、日本の状況」
 少し、時計を逆回しにして、30年前にもどろう。昭和50(1975)年の今ごろはどうだったか。
 わが年表『発禁・わいせつ・知る権利と規制の変遷―』によると、4・20/有吉佐和子『複合汚染』発行、ベストセラーに //6・8神奈川県鎌倉の七里ガ浜で暴走族600人が乱闘(6・11警察庁、暴走族総合対策委員会を発足させ、取締りを強化) //8・15三木首相、現職首相として初めて終戦記念日に靖国神社参拝(私人として)//9・30天皇・皇后、初の訪米に出発(〜10・2) //この年…国際婦人年/性産業の氾濫/登校拒否1万人超/郊外型書店の誕生(愛知県)/2・−完全失業者100万人を突破(不況の深刻化) /3・10新幹線岡山〜博多間開業/3・−和文ワープロ登場、価格1,000万円/4・30ベトナム戦争終結/5・16エベレスト日本女子登山隊田部井淳子、 女性で世界初の登頂に成功/5・25日本ダービー、馬券売上げ史上最高を記録(119億6,000万円)/7・19沖縄国際海洋博覧会開幕(〜76・1・18) /11・15第1回サミット開催などがあり、〔流行語〕は、乱塾/赤ヘル/アンタあの娘〈こ〉のなんなのさ/中ピ連などであった。
 いろいろあったようだが、「愛知県」と「国際博覧会」が、今年と合っていますねえ。戦争はアメリカの専売特許?で、 この年はやっと「ベトナム」が終結しているが、イラクはまだかいな?! 日本では「靖国神社参拝」ですか、 相変わらず繰り返すのは!?〔流行語〕にある「乱塾」は上に述べたように、今でも盛んだし、「赤ヘル」はこの年初優勝した広島東洋カープのこと。
 さて、この年5月30日の毎日新聞によると、スポーツ欄には「赤ヘル」の代わりに「巨人"珍しい"粘り/王9号 堀内投入し逃げ切る」とある。 この対中日戦で、いまや大監督?となった堀内サンは12回目の登板で、やっと3勝目(7敗)をあげたが、 チームは最下位(12勝21敗.364)、首位阪神とは6.5ゲーム差だった。
 もう一つ、社会面「都庁幹部の高すぎる!? 退職金/支払えば、予算パンク/『税金払わない!』電話ジャンジャン」によると、 「最高で5900万円、平均でも4600万円――。東京都は20日付で局長級19人の勇退を発表」したが、その退職金をめぐって『不況の折から高すぎる』 『いや、局長といえば民間企業の重役。そんなに高いことはない』と論議を呼んでいる。都庁には『税金を払うのがいやになった』 という都民からの電話もかかっており、都も財政難の折から、退職金の一部を財政事情が好転するまで凍結したそうだが、 それでも平均支給額は3600万円。一般退職者も含め、規定通り退職金を支払うと、6月でほぼ50年度の退職金予算を使い果たす苦しい台所事情もあって、 都の幹部は支払いに頭を痛めている」。
 そりゃ、そうだろう。この"都の幹部"としては、前例をくずせば、恨まれるだけでなく、自分の取り分も減ることが分かっているからだ。 これを役得、いやお手盛りという。
 何が言いたくて30年前の話を持ち出したのかというと、使い古した言葉だが「歴史は繰り返す」。説明しませんが、皆さん、 まだ最近のニュースは忘れてはいないでしょうね!!

「"英雄"の出現は"ガス抜き"のため?!」
 今年の日本プロ野球は、新規かつ混成球団の楽天がどこまで負けるか、セパ交流試合はリーグ成績に加算されるのか、 清原の500号本塁打はいつまで出ないか、そして古田の2000本安打は? など話題満載で始まったことを、私はさいきん知った。
 このところテレビ中継の、"番長"いや英雄「清原」の500号待望シリーズは、プライバシーの侵害ではないかと思われるほど、 キヨハラ中心の画面ばかりだという。打席に立ち、一球ごとのアップはともかく、守備についているとき、ボールも飛んでこず、 塁に選手がいるわけでもないのに、丸刈り頭にピアスの顔をどアップしたり、ベンチでは欠伸をしたり、若手選手の頭を小突いたり、 ケータイでどこやらにかけたり、何てことをしているかどうか知らないが、彼にだってプライバシーはあるはず。
 テレビ局には、選手に対する配慮はおろか、美意識もないのかしらん。それとも、視聴者はみな巨人ファン=清原ファンとでも思っているのだろうか?!  全国的に巨人ファンが多いのは、毎試合テレビで見ているうちに"洗脳"されるからだが、これはたかが野球じゃないかと、 安心してはおれない。
 60年前に敗戦を迎えたわが国の「戦争を起こしたのは国民だ」という説を唱える人物がいる。軍部内で、米英と戦争すれば負けるという米英派に対し、 日独伊三国同盟をタテに主戦派が戦争を起こしたものと思っていたが、そうではなく、不況にあえぐ?世論、すなわち国民の"戦争待望論"だという説である。
 現実には、世論を誘導するマスコミ(当時は新聞・ラジオ)があり、それを操作(言論統制、大本営発表など)する政府・軍部がいたからで、 これは"詭弁"だといいたいが、しかし、靖国問題を前面に出しての最近の韓国・中国における"反日・嫌日"の示威行動の根源(貧富の差など)に似たところがあるではないか。

(以上、2005年4月27日までの執筆)


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