飽きずにエッセイ目次

飽きずにエッセイ2005年4月上旬号

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警察国家 その1「駐車違反の取締り」
 警視庁は、来年の道交法の改正により、駐車違反の取締りを民間に委託できるとあって、このたび説明会を開いたところ、 450社も名乗りを上げたそうだ。警備業が約4割と多いのは業界がすでに飽和状態だからで、他にビル管理業、運送業、 駐車場管理業などが目立つという。
 この仕事は、"駐車監視員"の資格を持つ従業員(みなし公務員)を置き、公安委員会に登録した法人が条件だが、 「(収益は見込めなくても)社会問題となっている業務を請け負えば企業のイメージアップにつながる」のがホンネらしい。
 この6月から講習会を開いて試験を実施し、9月ごろに入札説明会の予定で、1地域1法人という狭き門という。 選ばれれば、警察のお墨付きという"ハク"がつくだけでなく、水戸黄門の"印籠"もどきをチラつかせて、"いい気分"を夢見ている向きも多いかもしれない。
 この民間委託、思うに、選ばれた業者は「勝ち組」と自己満足できるだろうし、警察側は不祥事が起こっても、 当事者として頭を下げる必要はなくなり、監督官庁として"資格"を剥奪するなど権威をちらつかせ、参入希望業者のあの手この手の働きかけに忙殺されるだろうし、 何といっても天下り先が増えると、ほくそえんでいるにちがいない。
 駐車場を増やすとか、都内への乗り入り制限を厳しくするなど、根本的な問題を解決しなくても、どの道、 安全地帯にいることに代わりはない。かくして、「アナタ、えばる人、わたし、ペコペコする人」という"予定調和"の再確認をさせられる、 多くのマイカー族は、永遠に浮かばれない?!

警察国家 その2「"有害図書"とは」
 去る5日、神奈川県警は「有害図書類のアダルトビデオなどを自動販売機に収納すると知りながら、商品を卸したとして、 同県青少年保護育成条例違反(自販機収納)ほう助の疑いで、大手アダルト雑誌等卸会社とのその社長ら2人を書類送検した」。 県警によると「有害図書をめぐり卸元の経営者が立件されるのは全国初」という。
 いま県条例を精査するヒマはないが、「有害図書類にあたるビデオやDVDを卸した」ことが、なぜ問題なのかと、 この社長らは確認もせずに素直に従ったのかしらん。
 わいせつ物なら刑法175条、あるいは輸入品なら関税定率法の適用もありうるが、単に商品を卸しただけで立件するというのは行き過ぎではないのか。
 まだ18歳未満のものの手に渡っていない段階で、いきなり"ほう助"というのは、「オレ、死にたいんだけども」と冗談をいった相手に、 「それもいいかもね」と答えただけで"ほう助罪"が成立するようなものではないか。
 有害図書類とは、私のささやかな知識によれば、(18歳未満)の子どもたちに"有害だ"と、ほとんど大人の論理だけで決め付けるものをさすのであって、 法律上どんな図書類でも作ったり売ったりすることは制限されていないはず。ましてや、持っているだけで、というのは拡大解釈、 いや過剰な点数稼ぎではないか。
 これに反論すらしない出版界は、「どうせ、あいつらはアウトサイダーだから」などと、評論家風を吹かしていることだろう!?
 アダルトものを作ったり売ったりする業者さんたちよ、もう少し想定問答集などを作って、勉強をしてもらわないと、 (オレら卑猥なものなど提供していないぞ、と油断している)他の出版仲間たちに、恨まれますぞ。

警察国家 その3「校門には施錠を」
 今度は、国レベルの話。寝屋川市での小学校教職員殺傷事件を受けて、児童・生徒を安全にという文科省の「学校への不審者対策」プロジェクトチームによる第一次報告について。
 いわく、原則として登下校時以外は校門を施錠し、来校者との対応を受付近くの応接スペースに限定するなどだそうだ。 つまり、犯罪者は一見して不審者と分からないから、すべての来校者を対象に応対ルールを明確にするというもの。 (「開かれた学校」はこれで死んだ!? )
 具体的には、開門時には教職員やボランティアが立ち会うというが、受付の所在がはっきりしないのは小中学校どこでも同じ、 が現状ではないのか。また、先生はそれでなくても忙しいはず。したがって、ここの出番はもちろん警察(OB)であろうから、 さらに問題がややこしくなる?!
 善人や責任感の強い人もいるだろうが、多分に昔の癖や老人特有の頑固さが出たり、校庭でウロウロすれば、 それこそ"不審者"と見まちがえられないかと心配になる。さらに、身内や友人に甘いのが日本人、つい、 どうぞとフリーパスでなどという場面がないことを祈ろう。
 一方、想像するに、4月1日から施行の個人情報保護法は、"個人"を守ることだが、"受付"は規則だからと、 来校者に住所・氏名(ときに生年月日、独身か否か)・電話番号、来校の目的、誰に面会か、約束をしているかなどを事細かに書かせるはずだ。 「ちょっと、1年2組の息子に穿き忘れたパンツを届けに来たのですが」などといえば、その通りに書くように言われ、 「1年2組のA男は、パンツを忘れたのはこれで2回目だ」などと、漏らされてしまうにちがいない?! (被害者も調書を取られ、こと細かに"自白"させられるのがケイサツなのである)
 蛇足だが、治安対策に躍起なのは、学校よりも、母親の不安心理(別名:私だって遊びたいわ)につけ込んだかどうか知らないが、 学習塾のほうが、お盛んであるそうな。
 そういえば、児童相談所に寄せられる事案では、「少年非行」の原因の1位は、親の監督放任・しつけのなさだとか。 こんな親にだれがした!?
 (少年非行の原因として、「有害図書」など"親"に比べれば問題にならない存在だが、ガス抜きのためスケープゴートにさせられ、 いつもイジメに遭っている。可哀想に!!)

(以上、2005年4月13日までの執筆)


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