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飽きずにエッセイ2005年1月下旬号

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「マンガ雑誌の喫煙シーン?!」
 国(厚生労働省)は、よほどヒマなのか、それともムダと知りつつ財務省と張り合うために、 やらせたのだろうかと思わせる調査結果を発表した(東京1・14夕刊「漫画登場6%も/ 少年5誌 厚労省調査『未成年喫煙の影響心配』」)。
 少年漫画誌に登場する喫煙シーンのデータだそうである。おもな少年5誌に登場した喫煙シーンはページ換算で0.38%、 喫煙の描写が1か所でもある作品は、平均6.4%に上る、という。
 主任研究者(環境予防学)の大学助教授は、「少年がよく読む漫画誌に、かなりの喫煙場面があり、影響が心配される。 未成年の喫煙との関連を調べたい」というからには、"中間発表"であるはずなのに、新聞報道はいかにも"影響がある"ように読める。 また、助教授の「喫煙場面の頻度には、描き手の生活習慣が反映されているのではないか」などと、 学者らしからぬ"邪推"入りのコメントにも困ったものだ。
 ある「少年・・・」と名のつく雑誌の編集長のコメントによると、「読者の平均年齢は20代前半、…『少年』と付いていても実態は青年誌に近い」そうだが、 5誌のうち3誌が「少年・・・」、他は少年少女向けであろう。かつて、「少年・・・」の幼き読者たちが、 そのまま青年→大人となっても、"持ち上がり"で購読を続けたため、あるいは年齢別の類似名の雑誌もすでにあり、 改名できないということもあったようだ。
 いったい、こんなことのために、税金を使ってまで調べる価値があるのだろうか。(ちなみに、消費税は3%→5%となっているが、 やはり"6%"には重税感があるのだろうか)
 その昔(1992年8月)、東京都の調査(「性の商品化に関する研究」)では、ある大学教授が研究者や学生を動員して、 漫画シーンに出てくる"性行為"のコマ数を数え、どれだけ、その描写があったか、さらに"男性が女性を見下ろす" コマを調べて、 いわく「いやがる女性に男性が強要、最後になって女性も積極的に応じる」パターンの描写ばかりと断じていたことがある。
 このケースは、"男女共同参画"の予兆であったかもしれないが、今回はテレビやビデオ、映画などはどうなっているのだろうか。 「冬のソナタ」では、キスシーンもなければ、喫煙シーンもなかったからといって、少年少女たちは、こぞって観ていただろうか。 実態に合わない調査をし、それを根拠に少年少女たちの実態に合わない規制をするというパターンを感じるが、 タバコそのものを聖域においたまま、"出版"をターゲットにするに相違ない。
 タバコを吸う出版関係者は、早く対策を立てておくべきであろう。

「対岸の火事ではない、ハズ」
 ブッシュが再選されたのは、宗教右派の後押しといわれるほど、いまのアメリカ社会は、完全に"中世"に戻りつつあるようだ。 ケリー候補が負けたのは、同性愛や中絶を是認する進歩派だったからだそうだが、アメリカの若者たちに性の放縦はなく、 純潔を信奉するものが多いと報道されたのは、数年前のことだ。
 記事によると、ジョージア州で02年、2千人以上の親たちが、教科書に「ヒトとサルの起源が同じだとするダーウィンの進化論が書かれているのに、 神が万物を創造したとする天地創造説が載っていない」と抗議したところ、同州のある郡の教育委員会は公立高校の生物の教科書に、 「進化論は人間の起源に関する仮説であり、事実ではない。生徒は注意深く批判的に学ばなければならない」とのステッカーを貼ることを義務付けたという。
 17日付の新聞報道には、これに対し同州連邦裁判所が、「政教分離を定めた憲法に違反する」と判断し、 ステッカーをはずすよう命じたが、郡教委は控訴を検討しているとある。
 たかが、アメリカの話ではないか、と思うかもしれないが、なんでもアメリカに追随し、マネをする、頭のいい日本人のこと、 これを"翻訳"して、「神の国」が復活し、「教育勅語」も蘇生し、「忠君愛国」、「滅私奉公」も眠りから覚め……、 という事態になりかねない。
 いま、日本の子どもたちの多くが、自分のいる地球を中心に宇宙が回っているという"天動説"を信じ、 人間は死んでも生き返ると思っているくらいだから、片思いのヨン様ブームにイカレている場合ではないですぞよ!  軍国の母、いや岸壁の母親どの?!

「サービス業とは、何ぞや」
 デジカメで撮った写真を焼くため、写真屋に持っていった。
 拡大・縮小などができるのではと思い、若い女店員に聞くと、かなり丁寧に教えてくれ、分からないことがあれば呼んでくださいと、 奥に入っていった。
 一応、何枚か天地左右に拡大・移動させて、これで良しと思い、次はどうするのかと振り向くと、 近くにいた店主らしい男が来て、該当画面にチェック・マークがあるのは適正だが、赤で注意のシルシは、 ぼけた写真になりますよといい、ケータイで撮ったんじゃないですか? とのたもうた。
 見ず知らずの客に、その"腕"あるいは機械にケチをつけるだろうか。一瞬ムッとしたが、直ぐに先ほどの女店員が出てきて、 これは拡大のしすぎですから、"適正"に戻せば大丈夫ですよと優しく教えてくれ、その通りにやって納得したとき、 また店主が顔を出すではないか。
 私がスティックを抜き取ると、彼は機械の別の口から出てきた、作業の"データ"と料金などを記した紙切れを持って、 黙ってレジのところへ行く。彼は私の名前と電話番号を聞き、先の紙に勝手に「領収済み」のゴム印を捺して、 ○○円ですという。
 これまた、失礼ではないか、○○円になりますが、今いただけますか、ぐらいの"お愛想"もないのかと思ったが、 私は気の小さい"紳士"、つい黙って、金を出すだけにしたが、後味が悪い。
 ちかごろ、言葉足らずは若い人より、このような分別盛りの中年に多い。メールでも、相手の名前を書かずに、 いきなり用件に入ったり、自分の都合だけ書いて、相手になんの配慮もない"中年男"などに出会ってばかり。
 前回も書いたように、やはり今年は多事多難の年になりそうだ。

(以上、2005年1月19日までの執筆)


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