「懲りずにコラム」 2004年12月下旬号
「中国が、キライな理由」
内閣府による「外交に関する世論調査」によると、国民が外国に「親しみを感じる」度合いは昨年に比べ、
"韓"(ハン)流ブームの韓国は少し増え、イラクに戦争を仕掛けたアメリカは4ポイント減、
アジアサッカーでの反日姿勢や靖国問題で中国は10・3ポイント減と大きく下がり、
そして中国に「親しみを感じない」のは58・2%(前回48・0%)にのぼったという。
この結果に共感する人も多いだろうが、昭和史研究の第一人者といわれる保阪正康氏の講演記録「中国から見た昭和という時」を読めば、
私だけでなく、「そういうことなのか」とちがった感想を抱く人も出てくることだろう
(保阪正康責任編集「昭和史講座」ブックレット2『日本と中国の現在 問われていることは何か』2004・11・20)。
愛国的であるとか、自国に都合のよい記述は、どの国の歴史教科書にもいえるだろうが、同氏によると、
中国では「歴史を語る時に、結局反日感情を語らなければいけないという事実」を認めなければいけない。
先の大戦で"日本は中国で正しいことをしたのか?"そういう教育を受けた"中国人が激怒するのは当たり前では"と考えれば、
"日本人が事実を認めない"限り、今後も"反日"が続くだろうことを示唆している。何、戦前の"神国"日本も、
「鬼畜米英」がスローガンだったではないか!
年に数回中国を訪れる同氏はいう。本屋に行くと『日本は何をしたか』という本が並んでいて、
日本軍の酷い行為の写真が売られていたが、さすがに最近は見ない。中国も控えているのかなと思える節がある。
だが、「ある程度出さないと、犠牲になった中国人は黙っていない。これも考えれば、政府のプロパガンダではなく、
この程度で抑えておかなければ国民は黙っていないということの抑制があると思うんです」ということらしい。
なるほど、国内向けだが、日本人が反発するのは"外交の手段"でもあるというわけか。
一方、サッカーの国際試合でなんだ、スポーツに政治を持ち込むななどという"政治家"気取りの日本人は、
イラク派遣を「行ってしまったんだから、仕方がない」とか「コイズミが"非戦闘地域"というのだから、
サマーワは非戦闘地域なのだろう」という、短絡かつ、おめでたい民族性ゆえに理解できないということもあるだろう。
さらに、「中国に世界3位のパソコン企業/聯想がIBMから事業買収/1300億円 新会社を設立」とくれば、
日本人はますます中国嫌いになるだろうな、きっと。
でも、82歳の大学教授が、28歳の大学院生と婚約したとのニュースもあった。
米国籍の彼は中華民族初のノーベル賞(物理学)受賞者でもあるが、「神様がくれた最後の贈り物。老人の魂が青春に返る」とのこと。
両人に対する"非難・批判・ヤッカミ"は、日本のそれと変わらないところが、ご愛嬌。さあ、どうする? 誇り高き日本人!?
「コイズミの"論理"」
久しぶりに、メルマガ「らいおんはーと」を読んだ(12・16号)。いやあ、元気ですねえ、コイズミ君は!
自衛隊のイラク派遣延長を"粛々"と進めただけあって、論理矛盾、牽強付会、孤軍奮闘、無敵艦隊の赴き……、少し引用しよう。
"自衛隊の活動する地域は非戦闘地域でなければならない"から、"国会でも「自衛隊が活動している地域は非戦闘地域である。」と答弁し"、
だから"サマーワ地域は非戦闘地域であり" ⇒「非戦闘地域」の定義があいまい、かつ「自衛隊はほとんど活動していない」のが現状ではないか。
あるいは、その昔「俺がルールブックだ」と迷言をはいたプロ野球の二出川審判と変わらない?!
"自衛隊の諸君は自らの身の安全のために機関銃やピストルを携行していますが、今まで町の中にでても、
復興支援活動にでても、一度も一発も弾丸を発射したことがない、一回も銃をかまえたことがないという報告を受けています。
"⇒「非戦闘地域」ならば、丸腰でよいではないか。それとも、"町"に出ることが少ないからか。
"自衛隊の諸君が宿営地の外にでて、医療活動あるいは給水活動、公共施設の復旧活動などに日の丸をつけた車に乗って出かけていくと、
現地の住民が手をふって歓迎してくれるそうです。"⇒手を振るぐらいは、ロボットだってするだろう。
ここでは「宿営地の外にでて」を強調したかったらしい。滅多に出ないから、イラクの人たちは珍しくて、
手を振ったのかもしれない。
"日本政府が、地元の方々からの自衛隊の活動を継続して欲しいという要請を断るのは妥当ではないと思います。
イラクが一番苦しいときに日本はイラクの国づくりに手をさしのべてくれた、必要な支援をしてくれたという評価を得られるような活動を今後も続けていくのが日本の責任だと思います。
" ⇒あれ、ブッシュのためではなかったの?!(イラクから、「評価を得られるような活動」を認めてもらうために行っていたとは、
皆さんご存知でしたか)
"終戦直後に日本が受けた人道支援を記憶していらっしゃるメルマガ読者から、イラク人道復興支援を応援するご意見をいただきました。
日本も一番苦しいときに国際社会から支援を受けて、今があります。" ⇒「その"今"を壊すのが、私の仕事であります!」が、
ホンネでは(第2次大戦後の苦しみは、日本が自ら蒔いた種が原因ではなかったか)
"できれば、自衛隊の諸君だけでなく、民間の方々にもイラクの復興支援活動をやっていただける状況ならよいのですが、
残念ながらそういう状況ではありません。" ⇒「自己責任」を持ち出し善意の人たちを責めたり、
NPOなどのボランティア活動に冷たいのは、どこのどなたでしたっけ!!
"日本の発展と繁栄というものは、世界の平和と安定の中にあるということを考えるのであれば、
自衛隊による人的支援の継続と資金的援助という日本の支援は日本の国益にかなうと確信しています。
⇒ああ、セカチューはジコチューでしかない。"日本の発展と繁栄"が"世界の平和と安定の中"にもあるかもしれないが、
イラクへの人道支援という名の「ブッシュに組するための自衛隊派遣」が"国益にかなう"と、日本人は思っているのだろうか。
この論理の飛躍や矛盾に気がつかない大人たちが、ヨン様に熱中するようにコイズミを支持し、
その彼は太陽が地球の周りを回っていると思う小学生たちと大差がない。
ところで、自衛隊のある指揮官から、次のようなメルマガがきたという。いわく、"歴史や記録に残らなくても、
いつの日か「遠く、8,000キロの彼方から来たヤーバニーが我々のためにやってくれた」とイラクの、
サマーワの人々の記憶に残る仕事がしたくて、明日もまたサマーワの大地に立ちたいと思います。
" ⇒国民の多くは、「コイズミさんには靖国神社に参拝するような気持ちで、"サマーワの大地に立"っていただきたい」と思っていることでしょう。
「まぼろしの記者会見 その1」
それは、晴れて、平穏な大安吉日の朝となるはずであった。12月18日土曜日、午後3時から天皇の第3子、
紀宮さまと都庁職員、黒田さんの婚約内定の記者会見が行なわれるからだ。
NHK総合テレビでは、「6:00おはよう日本▽ご婚約きょう内定へ/10:00〜11:00紀宮さま黒田さんご婚約内定を正式発表
▽お二人の歩み▽秘蔵映像▽友人生出演/14:30〜16:00紀宮さま黒田さんお二人で初の記者会見
▽生出演で友人が語る知られざるエピソード▽秘蔵映像を一挙公開▽各地の声/19:00ニュース7 初会見
▽紀宮さま黒田さんのご婚約内定」と朝・昼・夜と、特番2本を含め4回に及ぶ放映である。
民放5局の場合はどうか。午前中は、TBSテレビ「5:30皇室」、フジテレビ「7:00めざましどようび 紀宮さま婚約発表へ」、
テレビ朝日「5:50やじうまプラス 紀宮さまご婚約の朝」と特番「10:20〜11:15おめでとう!紀宮さま婚約内定発表
▽会見の朝のお2人を完全速報」の2本だが、日本テレビに午前中の予定はなく、またテレビ東京(12ch)は始めから何もなかった。
午後の記者会見に関しては、早い順に日本「13:30〜15:30報道特捜プロジェクト すべて見せます・初の2ショット
…紀宮さま黒田さん婚約会見完全生中継▽▽▽」(現実には"いたち捕獲作戦"の映像?!)、
TBS「14:00〜15:30おめでとう!紀宮さま婚約会見〜初めての2ショットスペシャル▽プロポーズの言葉は?
▽学友が語る美智子さまとの秘話ほか」、NHKと同じ時間にスタートの朝日は「14:30〜16:00おめでとう!紀宮さま 初めて明かされるロポーズのお言葉は
…そのとき美智子さまは…愛の軌跡お二人で会見完全生中継」とあり、いちばん遅いフジ「14:45〜16:00紀宮さまご婚約会見 今明かされる愛の秘話
▽北の国からお祝いの声▽2人が語る結婚生活・プロポーズ」、朝日はもう一つ「17:30Jチャン 婚約会見」であった。
夕方6時台には、日本「18:00プラス1 紀宮さま婚約会見」に、TBS「18:30森 紀宮さまご婚約」の2本だけとなり、
前述のNHK「19:00ニュース7」のほかは、TBS「22:00ブロードキャスター 紀宮さまお2人で会見▽お喜び美智子さま秘話」で、
めでたく終るはずだった……。
「まぼろしの記者会見 その2」
その(12月18日)朝4時過ぎ、入院中の高松宮妃が亡くなり、この"大々的な"記者会見が延期と決まったのは朝7時半、
宮内庁の発表だった。
慌てたのは、上記だけではないテレビ各局であろうし、腕を撫して"生出演"と張り切っていた、
貴顕紳士やご学友などはさぞがっかりしたことだろう。それだけではない、新聞社や出版社も同じであろうし、
とくに年末年始を合併特大号で稼ぐ予定だった週刊誌にとっては大打撃だったにちがいない。
ところで、新聞に"婚約"をすっぱ抜かれた宮内庁は、いつ正式に発表かという日取りを、天皇誕生日(12月23日)前とした。
国民の中には、なぜそんなに遅くやるのか、という声もあったそうだ。たしかに、黒田さんは公務員で、
平日は無理という考えもあるだろうがなぜ18日(大安の日)なのか。台風被害や地震災害の影響に配慮してということだけでなく、
イラク戦争(自衛隊の派遣延長)なども関係していたのだろうか。
テレビ局は「特番」の差し替えはお手の物らしいが、日本テレビの「報道特捜プロジェクト すべて見せます・初の2ショット
…紀宮さま黒田さん婚約会見完全生中継」なんぞ、"いたち捕獲作戦"の映像を流すなんて、ちょっと変ではないかしらん?!
亡くなられた方も皇族であることを忘れたのだろうか?
さて、ふたたび延期された「婚約内定発表」はいつのことになるのか、また23日の天皇誕生日や正月の一般参賀は取り止めとなれば、
"暗い"日本の"夜明け"はいつになるのか?!
《"皇室敬語"は複雑らしく、各局に微妙なズレも見られるが、3回も出てくる「美智子さま」は、
この場合「皇后さま」ではないのだろうか》
「だから、道徳教育なのか」
"自虐史観"を捨てよという、一部の動きに同調するわが国民は多いが、「もはや『トップレベルではない』
/日本の15歳 学力低下/OECD学習調査」とか、「小中学生、基礎学力も低下/数学・理科国際調査」という報道に、
どう思っているのだろうか、心配だなあ。
前者は、文科省の「ゆとり教育」の成果だそうだし、後者も同じく「教科内容の3割減」の影響もあるようだが、
「いい学校に入れば、いい会社に入れる」わけでもない時代に、「勉強しなくても(本を読まなくても)、生きられる」
世代の親から、ケータイやインターネットで楽しんでいる最中に、嫌いな勉強を強いられては、「自分の将来に希望はない」と、
ますます学校が遠のくのは必然であろう。
当の子供たちには、大人の無責任な政策や"しつけ"こそいい迷惑であり、フリーターにも厳しい世の中、
「将来、どうすりゃいいんだ?」との悲鳴が聞こえてきそうだ。
さらに、「小中高生の自殺 5年ぶり増、137人/03年度 理由不明など6割」とある中で、
文科省の児童生徒課のコメントいわく「原因は分からない。専門家に分析を依頼しているが、
当面は道徳教育や命の教育などで対応する」などと呑気この上なく、"当面は"などと宣って恥じないのは、
何の責任も感じていない証拠。
役人は中央も地方も、2,3年で部署が代わる「あとは野となれ山となれ」の世界であることを、"自虐"としてでも知っておこう、諸君!
そもそも、インターネットを普及させようとしたのは、IT教育を主唱した文科省ではなかったか。
ケータイにしても然り、学割制度だか親子セットだかで、メーカーは"双方向"の利点をあげれば、
われ先にオモチャを与えるごとく持たせ、親子で"プチ家出(も安心)"を楽しむツールになっただけでなく、
GPSを搭載して"安心"を買ったつもりが、命まで奪われたではないか。
"道徳教育や命の教育"は、まず、これらの"親や役人"から始めるべきではないか。
*今年は例年になく、暑い夏が続き、多くの台風が上陸しかつ被害は大きく、
また地震も新潟だけでなく列島を揺るがす"サプライズ"の連続でした。
しかし、「オレオレ詐欺」を「振り込め詐欺」と言い換えたところで、何の変化も見られないのは、不祥事が次々と出ても、
辞めないNHK会長と同じであり、それはヨン様が出なくても"紅白"をボイコットしない、
わが国民の"優しさ"あるいは"あきらめ"のせいでしょう。
来年は「飽きずにエッセイ」です。 それでは皆さん、よいお年を!!
(以上、2004年12月22日までの執筆)
kenha@wj8.so-net.ne.jp