「懲りずにコラム」 2004年1月上旬号
「歳末風景」
年末、久しぶりに下高井戸の魚屋まで買出しに行った。間口一軒ほどのガラスケースを挟んで、
客と数人の中年女性店員が1対1の売り買いをする、小さな店は年中混んでいる。
この日もマグロ、タラバガニ、数の子、たこ、イクラ、かまぼこ、牡蠣、うなぎ、ホタテは生にボイルなど、
必ずしも正月向けとは限らないが、新鮮で安いせいか20人ほどが押し合いへし合い。
ガラスケースに張り付く5、6人が次々に注文を出し、買い終えても抜け出すのに一苦労で、
ある夫婦連れは頭の上を大玉ころがし。着膨れした主婦は同じような背格好で前が見えず、だんだん不満が募るらしい。
列・順番(などないに等しいが)を無視して横入りしたと文句を言い、あらぬ嫌疑をかけられた? 女性は、
「私はこちらから押されただけです!」と、やり返す。
そんなやり取りを見ながら、私は二列目あたりから、前に出られない。女性に接触すれば何を言われるか分らないからだ。
仕方なく、夫婦で4万円近くも買っていくのを見て、どんな宴会をするのかと想像したり、出直そうかと思案していると、
店員から、ハイどうぞと声をかけられ、慌てなくても買いそびれることはなかった。
さて、元日、初詣や初売りに殺到する人々を見ていると、あれは一種の闘争本能ではないかと思えてくる。
何に対してか知らないが……。
「メール賀状」
ウラもオモテも印刷の賀状は、味気ない、いや現代風というのだろう。
ならば、メール賀状はさらに進んでいるはずと思っていたところ、今年いただいたものに数通あった。
文字情報だけのもの、添付ファイルで富士山の写真、HPを開けば猿の親子の毛づくろいなどと工夫を凝らしている。
ところで、かくいう私も何十通だったか、まさに元旦(一日の朝)に発信した。
要らないという方、抽選番号がなくて物足りないという方もおられるだろうが、返事をいただけるというメリットは考えつかなかった。
アドレスが違っておれば、"unknown"として戻ってくるから、誤配のないのも特長。
もちろん、アドレスのない方には、従来どおり赤いハガキを使ったが、そのせいかどうか、今年の年賀状扱い高は、
24億通とかで過去最高とか。
世の中は筆まめ、いや機械まめが多いようで、今年は健午の「健」が「建」に1件、「午」が「牛」は1件、
さらに姓名は正しいが、「様」も「殿」もないのが1件、住所の部屋番号ちがいなど2件、
なぜかご自分の住所の文字不足2件などであった。メデタシ!
「正月のテレビ」
大晦日の"紅白"をチラとも見ず、正月もスポーツ番組以外は縁がなかったが、4日夜は家族に付き合って、
いくつか見てしまった。
視聴率"捏造"の4chだと後で判ったのだが、スタジオには十人前後の若手タレントを並べ、
巨大ショベルカーでエビフライを作るだの、アーチェリーで恋の告白だの、フリスビー犬がラグビーでトライできるかだの、
といった映像を、コマーシャルの合い間合い間に流すというものだった。
いや、勉強になりましたね。他局も似たようなバラエティ番組をやっているのだろうが、巨大ショベルカーを使うのは、
ATM荒らしがヒントであろうし、女性がアーチェリーの矢を他人の家の中の"的"めがけて打ち込むシーンは、
イラク戦争の影響だと睨み、テレビ関係者の"創造力"に感嘆することしきりだった。
しかも、視聴者は、残る矢はあと何本なんていわれると、ドキドキして見ているのだろうが、映像の順を入れ替えれば、
最後に的を射るのは当然であろう!
それにしても、かつてのラグビーの名選手ら大の男たちが、今年はイヌ年でもないのに、たかが犬一匹ごときに振り回されて、
タレント稼業に励むとは!? 辛いのはサラリーマンばかりではなさそうだ。
ついでに言えば、NHK教育の再放送、高校生による"詩のボクシング"の"破壊性"は4ch以上であった。
大人たちは、何を考えているんだろう!?
「国家公務員の数」
それまで、郵政省の約28万人が最大だった国家公務員の、いま総人数は約80万8000人だという。
民営化された郵政公社の後を襲ったのが、自衛隊の約25万5000人で、全体の32%を占めるそうだ。
そして、防衛予算はアメリカ・ロシア・中国についで、4位の4兆9265億円、スイスの国家予算をしのぐという。
これはスゴいことですね。
一方、年末の世論調査によると、憲法改正を容認すると答えた人は、8割を超すという。
自衛隊の位置づけに関しても、憲法を改正して自衛隊の存在を明記すべきが、59%と前回の52%から増えたという
(いずれも、東京04・1・1)。これも凄いですねえ。
でも発想の転換をしよう。自衛隊は、郵政省にならって民営化すればいいのでは。肩身の狭い思いをすることもなく、
企業やマル暴の用心棒にもなれるだろうし、中にはイラク信奉派もいることだろうから、傭兵となって出稼ぎもできるだろうし、
まさに"国際貢献"ではないか。
そうすれば、憲法改正もしなくてすむし、税金も無駄に使われずにすむ。八方がうまく納まるではないか。
(何、初夢だって!?)
(以上、2004年1月6日までの執筆)
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