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似非エッセイ 2003年12月下旬号
「イラクは安全だぞ!!」
公明党の神崎代表は、自衛隊が派遣される予定のイラクのサマワに乗り込んだ。
さすが"国際貢献"する宗教団体の支援のたまものではないか。ブッシュ大統領より1時間も長い滞在時間で、
何を視察したか知らないが、「思ったより安全だ」と、小泉首相に報告したらしい。
"平和の党"代表がいうのだからマチガイはないはずで、与党の小泉首相を大いに喜ばせた、いや恩を売ったというところか。
同党の冬柴幹事長も、「イラクの南東部では『日本の自衛隊歓迎』なんて横断幕もかかっている」と、
のんきなことを言っているが、日本語で"自衛隊"と書き込んだのは、日本人ジャーナリストであって、現地の人ではないという。
いずれにしても党利党略、こんな我田引水的な解釈で事を進められるなんて、気楽なものだ。
可哀想なのは、"自発的" に志願させられる自衛隊員である。
ところで、オカシイのは、サマワの横断幕に"自衛隊"と書き込んだ"日本人ジャーナリスト"の名を明かさない新聞ではないか、
かつそれが話題とならないところに、わが国の危うさがある。
いや、イラク派遣などに関連して、「日本はかわいい。他国と違って、最初から『どうしますか』と聞いてくるからだ」と、
ある米高官が与党幹部に漏らしたこと(東京2003・12・20付)など、付け加える私がおかしいのか。
「"落選"候補第1号」
自民党は危機意識どころか、いよいよ凋落傾向にあることが分かった。
来夏の参院選に、元スキーの荻原健司を公認候補(比例代表)としたからだ。
オリンピックの金メダリストで、たしかに知名度はあるが、いきなり"公認"された彼にどんな政策、
識見があるというのだろうか。
前例がある。いまをときめく国家公安委員長、マル暴関係から献金を受けていた小野清子議員はローマおよび東京オリンピック大会に出場した体操の選手だった。
さらに3年後の参院選では、柔道の田村、いや谷亮子選手も出馬を要請されるはず……。
パリでの結婚披露宴には、日本から1000名もの客が大挙して参加したというし、バックがトヨタ自動車、
だけでなくオリックスでもあることを考えれば、最多得票も夢ではない。
民主党も、コイズミを攻めるだけでなく、よく考えることだ。
さて、わが健司クン。スベるのが得意の彼に、当選の可能性はあるのだろうか。
いや待てよ、よく似た双子の兄弟、すでに影武者もいる。これは大物だぞ!?
(余談だが、小野清子に関する自民党のHP「議員データ」では、東京オリンピックの開催年は、昭和35年となっている。
どうしましょう。)
「名古屋の"散多"サン」
テレビ塔から、1ドル紙幣や100円札などを大量にばら撒いた、26歳の自称"散多"サン、
「株取引でもうかった。貯蓄は1億円以上。うんざりするほど金はある」、「クリスマスだし、金をまけば喜んでもらえる」
と言うかと思えば、「金がありすぎて、人生つまらない」と、なかなか"哲学的"なことも言ってのけた。
ドル紙幣や100円札をそろえたのも、冷静である。ただ者ではなさそうだ。
世間は放って置かないでしょうな。まず、場所柄、テレビ局から始まって、週刊誌が彼のところに殺到するだろう。
もっと困るのは、この"天才的"(かどうか知らないが)相場師に、株で儲けるノウハウを教えてくれと、
個人はプロもアマも日参するだろうし、大手証券会社は顧問にと、頭を下げてくるだろう。
つまるところ、「人が多すぎて、人生つまらない」なんてことになるのでは。
「モノは言いよう5題」
その1)大阪梅田の阪急百貨店前の歩道脇の植え込みで、死後1か月のミイラ化した男性の遺体を発見したタクシー運転者は、
(車から降りて)「たまたま植え込みに近づいた」そうだが、遺体に気づかなければ、危なかったですねえ。
ひょっとしたら"立ちション"の現行犯になっていたのでは?!
その2)弥生時代の遺跡がある長崎県の車出遺跡で、現場指導をしていた町の学芸員(32)は、埋め戻し作業に、
自宅でためていたゴミ(卓上コンロや空き缶など軽トラック1台分)を捨てることを発案し、
地主とともに作業員に指示して埋めさせたという。
学芸員いわく「大きな問題になるとは思わなかった」とは常識以前の問題だが、地主も作業員もオカシイと思わなかったのは、
町役場の役人、学芸員は"権威"であるからだ。そのうえ、数百年後に、きっとどこかの誰かが掘り返し、
「この出土品は21世紀初頭かその前後のもの」と、得意げに発表するのを夢見ていたのだろう、きっと。
その3)老舗の教科書会社である東京書籍は、昨年の公民の教科書で「雪国はつらつ条例」を「雪国はつらいよ条例」と、
ほとんどマンザイ的な"悪意"のある誤りを犯し、かつ地理の教科書でも約160か所のミスを重ねただけでなく、
今年もめげずに地理、歴史、公民の教科書で、40か所のミスが見つかったという。
執筆の学者先生がいい加減なのか、"下請け"の学生や編集者に基礎学力がないからであろうか。
同社のコメントに「迷惑をおかけし、申し訳ない。チェック体制を強化するなどして再発防止に努めたい」とあるが、
すでに"再発"しているではないか。謝罪の仕方も"教科書"的である。
その4)上述の、神崎代表の"後日談"…「サマワは比較的安全」と小泉首相に報告したのは、 現地を案内したオランダ軍司令官の発言「散髪に出かける際も単身で行く」という説明が根拠だったという。 ところが、現実は厳重な護衛つきでの散髪だったとかで、それを追及された神崎代表、 「私が国会内の理髪店に行くときも警護官が付いてくる」と言い訳したという。 戦場イラクは砲弾の雨、"散発"どころではないだろうに。
その5)やっとというか、無事にというか、イラクのフセイン元大統領が米軍に拘束された。
そのとき、彼は「交渉したい」といったのは、相当アメリカの弱みを握っているからか。
一方のブッシュ大統領は直後に、「さようなら、ミスター・サダム・フセイン。世界は、あなたがいないほうがいい」と演説したという。
そのひそみに倣って、われわれも言おう。「さようなら、ミスター・ジョージ・ブッシュ。世界は、あなたがいないほうがいい」
久々にPTA日記:番外「アンケートの趣旨」
少子化の進むなか、存続の危機にさらされている都立高校では、努力目標を掲げて効率化、独自性を掲げる一方、
さまざまな改善策を考えているようだ。
たとえば、地域住民やOB、PTA役員を加えた学校運営連絡協議会では、週5日制の"教育"効果について、
「休日の有意義な過ごし方」などのアンケート調査をするといった具合に。
週5日制の導入は、前にも書いたが(「からむコラム」2002年2月号)、"ゆとり教育"が目的ではなく、
文部省と日教組の(教師の休みを増やす)ヤミ取引だったのを、いつの間にか"児童・生徒"をダシにする制度にすり替え、
昨年4月から導入されたもの。
早くもその見直しを求める声も出てきて、都のPTA連合会では元の6日制の復活さえ目論んでいるという。
"ゆとり"より受験という危機感からであろうが、迷惑なのは制度に振り回される、当事者の生徒たちであろう。
さて、先のアンケート項目を見ると、何時に寝起きするか、勉強の時間は? 門限はあるか(守られているかどうか)、
家で話をするかどうか、家での手伝いは? 塾通いは? アルバイト・ボランティアをしているかどうか(その内容)などのほかに、
テレビを何時間見るかを問うている。
10年以上前ならともかく、このケータイ全盛、かつインターネット時代に、テレビ以外のメディアが思い浮かばないとは!
さらにゲームセンターもあり、小遣いの額など聞かなくて、高校生の実態が分かりますか??
付記:14歳の男子中学生が、自宅でテレビを見ていた小学6年の妹を背後から、鉄の棒で数回殴って、
頭の骨を折る怪我をさせたのは、茨城県での話。
自分で110番通報したぐらいだから、精神に異常はなく、「インターネット上の殺人サイトなどを見ていて、自分も殺したくなった」
と言ったという。
酒に酔った警察官や素面の教師のワイセツ・痴漢行為も問題だが、「こんなボクに誰がした!?」
潜在的な"仲間"は相当いるだろう。これは日本の将来にとって……などと、今さら言っても仕方がないか。
次号(1月6日予定)より「懲りずにコラム」となります。どうぞよろしく。
(以上、2003・12・24までの執筆)
kenha@wj8.so-net.ne.jp