似非エッセイ 2003年11月上旬号
「"不在"者投票」
二大政党時代を迎えるか、などと注目された総選挙も、投票率が悪く、それなりの結果で終わった。
小泉政権にかげりと、民主党の今後が注目される……。
ところで、どんな理由でも事前に投票できると、"規制"が緩和されたおかげで、不在者投票はかなり増えたという。
それにしても、変なネーミングではないか。いま選挙区にいても、投票日に"不在"というのが根拠であろうが、
不在だから投票できない、というのは遠洋漁業などの方たちであろう。
どうせ、候補者は「もう一歩のところです。最後のお願いです」と超党派で、がなり立てるのがオチだから、
いっそ投票日を3日間ぐらいにすればよいのではないか。
しかし、事前に投票した人は、市役所内の投票所には、2人の立会人と多くの学生アルバイトがいて、
また税金が…といっていた。
当日、投票所にも立会人がいる。係りの若い女性に、どんな役割かと問えば、「とても重要な仕事です」と模範回答。
つまり、投票に不正がないかどうかを見張るのが主な仕事で、朝から私語もダメ、昼食夕食は交代で、
13時間後には投票箱を開票所まで運ぶなど、かなりハードな任務だという。
これで1万円超の報酬は高いかどうか意見の分かれるところだが、私が見た老年の男二人は、互いに顔を見合わせて、
おしゃべりに夢中だった。いい加減ですねえ。
「1億円で、死ね!」
半年前に、ブッシュ大統領は戦争は終結したと宣言したはずのイラクで、ちかごろ米軍兵士や国連職員、
赤十字関係者まで攻撃され、死傷者が絶えない。
唯我独尊のアメリカは、これからも攻撃の手を緩めずというが、ベトナム戦争での教訓も生かせず、
大統領以下、先が読めない人たちは困ったものだ。
治安回復のために駐留するというが、米軍が撤退すれば、治安は回復し、これ以上の犠牲者は出ないはず。頭が悪すぎる!?
一方、そんなイラクから、手を引く国が多いのに、小泉首相は、戦死すれば弔慰金をこれまでの6千万円から、
1億円にアップしてまで、その"戦地"に自衛隊員を送り出すという。
彼のいう"安全な地域"はもうないと、アメリカ以外は判断しているというのに。
人命を軽く考えているばかりでなく、税金の無駄遣いをしてまで、なぜアメリカに追随するのか。
藪(ブッシュ)にしてもコイズミにしても、戦場に行かない人は気楽でいいですねえ。
さらに、一部の若者は戦争を待望するし、自民党は嫌いだが、小泉さんは好きという輩が、
"大東亜"戦争を経験したはずの人の中にもいるから、困ったものだ。
「末端価格は?」
お尋ねします。
覚せい剤の密輸や所持に関する報道では、必ず重量のほか、"末端価格"何千万円などというが、農産物、
とくに米ドロボーの場合は、ほとんど原材料(玄米、籾殻つき)としての何十キロ何万円などとしか表現しないのはなぜか、
疑問に思いませんか。
答えを想定すると、1)材質が異なるから、表現は違ってよい。2)コメは密輸に関係ないから。
3)覚せい剤などは一部の少年、ヤクザ・暴力団に限られるが、コメは国民全般に関わるものだから。
4)玄米は「ドンマイ」に類似し、気にするほどでもないから。5)コメは銘柄によって、末端価格(小売値段)がマチマチで、
国民が混乱するから。6)コメは「米」と書き、アメリカを意味するから、被害額を過小にするため。
7)自民党政権を支える票田、農家が大金を手にしている印象を和らげるため。
8)コメの原価が安いのに、小売値段が高い、つまり流通業者が、濡れ手で粟、いやコメを手に入れていることを隠蔽するため。
そうだろうか。コメを盗む者も、最終的には売るためであろう。
ならば、覚せい剤などと同じく、"末端価格"を表示すべきではないか。
「トトのつまりは…」
プロスポーツの話。松井秀樹がヤンキース入りすると、メジャー中継に本腰を入れるNHKは、
アメリカ一辺倒という感じでやっていたが、新人王を取れなかったことに、ガッカリしているようだ。
自分が貰うわけでもないのに。
ところで、少なからぬ"アンチ巨人"ファンが溜飲を下げたのは、星野阪神の優勝であり、王ダイエーの日本一であろう、
と思っていたところへ、"不滅の人"長嶋ジャパンが、オリンピックの出場権を得たとして、大騒ぎ。
わが国民は、熱しやすく、冷めやすいのは承知だが、衰退著しいジャイアンツに、ローズや小久保が移籍し、
またぞろ"金権"野球を繰り広げるなか、カネといえば、元横綱の曙が格闘技に挑戦するかと思えば、
サッカーJリーグの、"1億円"が当たるはずのtoto(サッカーくじ)が、不振となっている。
少しも"夢"と"感動"を与えないからだ。
スポーツ振興(助成)のためなどと"キレイごと"を並べても、ギャンブルにはちがいない。
天下り先を作り、自分たちを潤すだけが目的の、お役人のやることはこの程度なのである。
一攫千金が目的の大衆を馬鹿にしてはいけない。
(以上、2003・11・12までの執筆)
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