新刊「韓国・朝鮮と向き合った36人の日本人」のお知らせ
(2002年4月刊、明石書店、定価2000円+税)
このたび上梓された
舘野 ル編著『韓国・朝鮮と向き合った36人の日本人―西郷隆盛、福沢諭吉から現代まで―』
の執筆者の一人として、私も「梶山季之」と「内田良平」(明治・大正・昭和3代にわたり活躍した国家主義者)の2名について筆を執りました。
日韓関係は、"靖国"を持ち出すまでもなく両国にとって難しい問題です。
編者の舘野氏は出版の意図を、「日本人全体が何気なく身に付けている朝鮮蔑視観や差別意識、
それが問題なのだ。それは何かの機会に自然に噴出して朝鮮(韓国)人を傷つけるのだ。
そうした『問題』が起こるたびに、なぜそうなってしまうのか、そうした誤りが生まれる原因は何なのか、
どうすればそれをなくすことができるのかを解明したいという思い」に駆り立てられ、
「日本人の朝鮮観の淵源と形成過程をトータルに探り、是正する道を考えてみたい」ため、
このたび「本としての新鮮味・読みやすさに配慮し、時代を幕末・明治期以降から現代までとし、
朝鮮とのかかわりの深い(向き合ってきた)三十六人の代表的日本人のケース」を取り上げ、
人物の選定基準を「『朝鮮(人)との関係の深さ』だけで、当時およびその後の時代において、
政治・社会・文化的な面での影響の大きさについても配慮し、物故者だけに限った」と述べております。
このような趣旨の本書を、改めて手にとってご覧いただければ幸いに存じます。
内容構成
- 西郷隆盛 明治維新と「征韓」の論理 吉野誠
- 福沢諭吉 アジア蔑視観形成と侵略の先導者 安川寿之輔
- 伊藤博文 "抑圧の時代"をもたらした中心人物 高大勝
- 樽井藤吉 日韓合邦を説いたアジア主義者 中村春作
- 海老名彈正 キリスト教による同化を主張した牧師 關岡一成
- 斎藤実 一九二〇年代の朝鮮支配の体現者 岡本真希子
- 内村鑑三 朝鮮人キリスト者に期待した日本人 森山浩二
- 木下尚江 朝鮮支配を見抜く透徹した目 岡野幸江
- 金沢庄三郎 同祖論の飽くなき追及 石川遼子
- 福田徳三 日本型オリエンタリズムの朝鮮観 鶴園裕
- 内田良平 日韓合邦運動の支援と挫折 橋本健午
- 吉野作造 勇気と行動力で朝鮮統治を批判 蜂須賀光彦
- 布施辰治 苦しむ人びととともに走った生涯 森正
- 安倍能成 滞在十五年の学者が見た朝鮮本来の美しさ 高柳俊男
- 秋葉隆 朝鮮民俗社会の体系的研究 秀村研二
- 柳宗悦 「美」を通して朝鮮を想う 土田真紀
- 浅川巧 韓国人の心のなかに生きた日本人 尾久彰三
- 村山智順 調査報告書に込めた朝鮮民族への思い 野村伸一
- 中西伊之助 民族の溝を意識しつつ連帯をめざす 高柳俊男
- 矢内原忠雄 朝鮮人を愛し戦ったキリスト者 森山浩二
- 村山知義 いつも陽の当たる場所にいた"理解者" 舘野ル
- 中野重治 浅かった朝鮮認識―民族より階級だった 林浩治
- 金子文子 社会に向き合うということ 李順愛
- 古賀政男 古賀メロディと朝鮮の関係 山根俊郎
- 山辺健太郎 朝鮮統治の原史料渉猟に専念 舘野ル
- 織田楢次 孤立無援の朝鮮伝道者 舘野ル
- 旗田巍 戦後朝鮮史研究の旗手 朴正明
- 森田芳夫 地味な日韓交流の担い手 原ひろ子
- 槙村浩 朝鮮民族の不屈の革命精神をうたいあげる 舘野ル
- 田内千鶴子 韓国孤児のために捧げた生涯 蜂須賀光彦
- 田中英光 朝鮮認識の限界を露呈 舘野ル
- 西順蔵 「一視同仁」から他者認識の身体化へ 坂元ひろ子
- 小林勝 侵略者としての自己嫌悪を育んだ故郷朝鮮 林浩治
- 梶山季之 "故郷"朝鮮への熱き想い 橋本健午
- 梶村秀樹 ともに人間性を回復する道を探る 石坂浩一
- 澤正彦 贖罪的求道者、韓国人になりたかった日本人 金纓